worksは8/24に更新しました.

前髪のこと

「うつむくことが多いんです」と
言うと、勘違いされそうだけど、
本読むのも、何か描く/書くのも、
なにかにつけて
下を向くことが多い。
 
なので前髪が長くなってくると、
面倒なことになる。
 
ただでさえ眼鏡をかけているので
視界の角度が狭くなるのに、
黒い影(髪の毛)にさえぎられると
やりきれない気持ちになる。
 
髪の毛263
 
TV台の上で眠るネコのせいで
映画の字幕がさっぱりみえなくなる
のと同じくらいいらだつし、
一人しかいないはずの部屋の端で
誰かが横切ったように思えて
いそいで振り向くがなにもない
のと同じくらい、
霊的な恐怖心を煽られる。
 
そう、ひどくなると
目の端にふらふらしている髪が
人影に錯覚してしまう。
 
ふと気がつくと、
直ぐ横にだれかいる!
と思って、ビクっとすることが
よくある。
 
ああ!また前髪にやられたのだ。
とてもくやしい。
 

 
たまにネコがなにもない空中を
じっと見つめていることがある。
え、なにかいるの?
と思って怖い。
 
怖いので、ネコをゆすぶるけど、
彼の視点はゆるがない。
やめてくれ!怖いぞ!
 
と同じように、
ぼくも、なんでもない時に
とつぜん顔をあげてしばらく
ぼんやりしてしまうことがある。
 
すると、後ろの方にいた人に
「え、何かいるんですか、
何もないですよね、怖いですよ。
やめてください。」
と言われる。
 
それで、だって前髪が人に
見えるんだもん、と言っても
なかなか信用してもらえない。
 

 
これが人生においてどんな教訓を
示しているか、というと、
 
床屋に行け
 
ということなんですよね。
 

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