worksは8/24に更新しました.

イメージ筋力

自分のことなのに、
ちゃんと説明ができない…!
ということがあります。

たとえば、
絵の描き方の心得みたいなもの。

自転車に乗る方法を
言葉で説明するのが難しいように、
絵の描き方のコツを説明するのも
すごくむずかしい。

きれいな豆乳鍋を作りたいはずなのに、
作っているうちにどんどん豆乳が分離して
浮かび上がってきてしまうみたいに、
「コツ」や「心得」を言葉にすればするほど
大事なものが分離して、
なんかちがうものになってしまう気が
するんです。

「最近うまく描けない」と思うときに
それをみて見返して初心に帰りたい、
とか思うんですけど。

ためしに過去に書いていたものを挙げると
「細部ではなく、常に全体をみて」とか、
「一筆一筆が快感であれ」とか…。

こういうのを見ていると
なんだか泣けてきます。

だって、いくらこんなのを
書き溜めていても、
描けないものは描けないんだから。

そんなときに、YouTubeで
あ、こういうことなのかも、
という解説動画をみつけました。

坪田信貴さんという「ビリギャル」の
先生だった人の動画なんですけど、
「意味のある音読の仕方」について
話していたんです。

世界史の教科書を音読してみて、
といわれて、とりあえず読んでみる。

そのあとに、教科書を見ないで
読んだ内容がどういう話だったかを
覚えている範囲でいいから話してみて、
と言われると、案外覚えていないんです。
(激しくわかる!)

一字一句字面を読むのに集中していて
意味は全然頭に入ってきていない…。

今度は、「覚えよう」と思って、
頭の中で自分なりに意味を解釈しながら読むと、
一字一句同じではないにしろ、
ちゃんと、その意味するところをざっくりと
話すことができたんです。

これ、似顔絵を描くときと同じじゃん!
と思って衝撃でした。

ぼくは顔を似せたいわけじゃなくて
写真の雰囲気まるごとをとらえたいと
思う派なので、
下手をすると、写真を図形のように
とらえてしまって
(ちょうど音読を一字一句読むように)
肩は鼻と頬の境目あたりから出てて、
目のラインと肘の先が同じ線上にあって…
とか考えてしまうんです。

そうなると、単なるパズルになってしまって
「感情表現」どころではないんです。
自分の描いている絵よりも、
写真を見る時間の方が長かったりして…。

それよりも、
この人はどんな気分だったんだろう?
とか、
そのしぐさの意味するところとかを
想像しながら自分の絵をじっと見つめる。
写真を見たくなるのをぐっとこらえて、
仕草と気持ちを自分で解釈してみると
微妙に動きがずれていても
よく表現ができていると思えるんです。

形を写し取る力じゃなくて、
頭でイメージする筋力をつけた方がいいと。

デッサン力じゃなくて、
絵にどんな意味付けをするのかを
描き終える最後の一筆まで
イメージし続けていることの方が
限りなく重要なんです。

わかっている方にとっては
なにを今更、なことかもしれませんが
イメージ筋力を今日から鍛えていこうと
思います。

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