worksは8/24に更新しました.

ハレのジャンボ

「素直なわがまま」という本に
宮崎駿の対談が掲載されている。
 
アニメーションに声を入れる時の
しゃべり方について書かれていた。
かいつまむとこんなかんじ。
 

 
アニメも芝居も、
過剰でないと伝わらない。
 
ふだんのままでいいです、と
指示するのだけど、結局はどこか
非日常の声なんだ。
 
自然に自然に、とは言うけれども
どこかでハレの声を要求している。
 
本当にふだんのままの声を出したら、
こわい感じになっちゃうんじゃないか。

 

 
ここで言われている「ハレ」というのは、
特別な出来事という意味での非日常のこと。
「晴れ舞台」のような。
それに対して「ケ」というのが、
日常でふだんの生活のこと。
 

 
ハレの感覚は、だんだんケの領域に
入ってこようとする気質がある気がする。
 
十分な証拠がつかめていないので、
曖昧なまま言ってしまうけれど、
「日常をハレに」という気分が
さいきん感じられる。
 
昼時の新宿一丁目を歩いていると、
サラリーマンたちが弁当屋などに並ぶ。
ジャンボおにぎり230円である。
 
ぜんぜん良い例じゃないけど、
このあたりに違和感を感じる。
「あなたを満腹にさせますよ」という
商売の中で生まれた名前だなと思う。
自然には、おにぎりを「ジャンボ」
という発想はないだろう、という。
 
モノを売るということだから
過剰にならざるを得ないのだろうが
もはやだれもつっこむ人がいない。
 
そこまでハレである必要はないのに、
ということが他にもきっとある。
 
一方で「ハレをケに」
という感覚もある。
これはツイッターとか。
 
逆さまにしたいという欲求が
あるんだろうか。
 

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