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摩訶不思議の観察

最近、少しづつ読んでいる本は、
「イザベラ・バードの日本紀行」。
これは面白い。
 
現代のぼくたちが読むと、とてもしっくりくる。
 
英国人女性であるイザベラ・バードは
江戸時代から明治になって10年ほど経った頃、
日本へとやってきた。
 
当時の横浜や品川、東京、辺りを皮切りに
北海道に向けて北上していく旅を始める。
 
今の日本とは全然違う。
だから、これを読むとき、
読者であるぼくは、
イザベラとほとんど同じ感覚で
当時の日本を垣間見ることができる。
 
明治になって10年。すでに西洋化が始り、
いたるところに外人がはたらいている。
 
ある意味、西洋化の引継ぎ業務のように
鉄道でも、学校でも、建築でも西洋人と清国人が
セットになって、日本人と一緒に働いていた。
 
そういう意味で、みるみる今の日本に
近づいていくのだけど、それでもまだ
着ているもの、民家の建物、市井の仕事、
旅館の様子、田舎の様子なども
今の日本と比べると、
全くと言っていいくらい
異文化と思える。
 
え、これが本当に、ぼくたちのルーツ?
たった130年くらい前のことが
信じられないくらい異世界で、うれしい。
楽しい。
 
イザベラは、
人力車が全盛期であるこの頃、
車夫をみて、
「痩せて礼儀正しく、愛想のいい車夫たちは
ひっくり返したボウルのような形の
大きな帽子に摩訶不思議な青いタイツ、
紀章である白抜きの文字の入った青い短い上着
という恰好で黄色い顔から汗をたらしながら
ひた走り、笑い声や大声をあげ、
ぶつかるのをひょいと避けたりするのです。」
と、書いている。
 
当時の日本人が日本人に向けて
書いたのであったら、
ここまで細かい描写はない。
 
英国人が英国人のために書くのは、
現代の日本の若い子が
明治初期の過去に戻り、
そのレポートを、現代の日本人に向けて
書いている。というのと似ていると思う。
 
詳しい内容は読んでみて下さい。
三谷幸喜編のラジオドラマもYOUTUBEにあります。
 

 
もう一冊は、宮崎学の「森の365日」。
長野県の山の谷あいに、ほったて小屋をたてて
ふくろうを観察する。
 
まだそんなに読み進めていないけれど、
これも日記のように書いている。
 
あとは「ドリトル先生」シリーズ。
読んだことなかったけれど、
読んでみると、面白い。
 
これもふつうの物語というよりも、
観察がもとになっている話、という気がする。
 
後の2冊はまだあんまり読んでいないから、
これからの楽しみ。
まだ読んでいない本、というのは、
嬉しさですこし温いような気がする。
 
ほくほくしながら、大切に読みたい。
 
とりわけ、ルポルタージュ、観察日記、
こういうものになぜだか関心があるようだ。
 
異文化、異世界に浸かった時間。
未知のものに出会おうというつもりで、
日々を過ごす。
 

 
うーむ。
はたして、ぼくは、
なにを観察しているんだろう。
と思う。
 
ちょっとわからないし、矛盾しているようだけど、
自分の無意識のうちに考えていること、
日々やっていて、悩んでいて、
攻略しようと案をひねりだす過程というのは、
自分自身にとっても
異文化だという気がする。
 
なぜなら、よくわからない、
初めて直面する問題ばかりだから。
 
だから、それを俯瞰してみれば面白い。
それを記録しておきたい、という
気持ちがある。
 
公開日記は嫌なのだが、なにか
うまいこといいフォーマットがないものか。
と思っている。

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