稼ぐ人
お金の計算をしていると、
ついつい、
つまらない考えになってしまう。
…
作るお金と、売るお金、
それから実際の売上はどれだけか。
これがちゃんと利益になるように
図るっていうのは、
お店をやっている人なら
ごく当たり前に考えていること。
でも自分にしてみると
なんとも不慣れ。
「捕らぬ狸の皮算用」という
ことわざがあるけれど、
頭の中での計算というのが、
これが本当に頼りにならない。
計算上では、
必要最低限の金額として
材料費などを計上するんだけど、
実際のところは、試作をつくったり
予備で多めに素材を仕入れたり
あとは送料とかなんとか、
そういう細々した金額が嵩んでいき、
結局予想よりオーバーしてしまう。
売上もついつい、「完売」を
当然の目論みとして計算してしまい
値段もそこそこにつけてしまう。
あとになって、
これじゃあ全く採算とれない
ということに気がつく。
ものすごく単純なことを
しているはずなのに、
なかなか簡単にはいかない。
*
加えて予算も底をついてくると、
スリルを増してくる。
半分は落胆しながらも、
さあ、これをどう切り抜けようか、
とわくわくしたり。
(「創造の狂気ウォルト・ディズニー」
を読みながら自分を励ます)
そういえば、じぶんは「作る人」という
自覚ではあるような気がするけれど、
「お金を稼ぐ人」という心づもりには
なったことがなかった。
*
恵文社で展示をしたとき、
雑貨コーナーの販売の様子と
スタッフさんを眺めながら、
ああ、この人たちは「お金を稼ぐ人」たち
なんだなあ、とおもって
感銘を受けたのを覚えています。
ギャンブルな感じは一寸もなくて、
狙いすませた一流のスポーツ選手が
次々と点を重ねていくような、
それから、
絶対に損なことはしないという
鉄壁の守りのような…、
そうなんです、
感銘を受けたのです。
2012/08/21