なまけんぼ
好きな事をやっているつもりが、
結果として、どんどん苦痛の中に
身を投げてしまっているようです。
展示準備もまるで地獄のような
追い込みだったし、
展示中も刺激が強すぎて
倒れてしまいそうだった。
終わってからも、
費用やら作品やら記録やら、
心や考えの整理を
こつこつとやらなくてはならない。
真面目な人ならさっそく
行動に移るだろうけれど、
東京に帰ってきてからというもの、
布団にもぐってずっと本を読んでしまう。
どこかで聞いた話なのだけど、
井上陽水が奥田民生のことを
こんなふうに言っていた。
「彼はユニコーンというバンドを
解散したあと、すぐにソロ活動しないで
一年くらいふらふらしてたっていう。
そこが彼の良い所です。」
*
ああ、すばらしい意見だなあ。
「個性の尊重」と好んで言われるけど、
ほんとうに個性を重要にしたら
運命は、ほとんど布団の上で
繰り広げられることになる。
つまり眠ってばかりに
なってしまう、ということ。
そういう本音をちゃんと
踏まえている人なんだな、
と仰ぎみてしまうのである。
友人からは好きなことやってて
いいね、と言われるけれど、
すこし違う。
それ以外に自分を活かす方法がないから、
仕方なくやるのであって、
しなくても済むならしない方がいい
というふうに思ってしまう。
あんまり褒められる言い方ではないけど、
これが正直な意見だし、
他のことをしている人にしても
きっとおなじだろうと思います。
2012/08/16