worksは8/24に更新しました.

言葉を生きているまま

昨日は調布にある「すこっぷ」という
児童発達支援事業の表現療育というクラスに
ゲスト講師として参加してきました。

今回は、かるたにした
こんなかおしてあいうえお』で
あそぶという内容です。

これまでに、なんども
すこっぷで遊ばせてもらいながら
こちらも経験値を積ませて頂いて
いるのですが、

これまでの経験上、
3歳~5歳くらいの大人数に
ことばを楽しんでもらうとき
文字や絵だけの提示では
人によっては
飽きられてしまうんです。

なので、必要なのが
体の動きと、声で。

体を大きく、小さく動かしたり、
変な動きをしたり、声の抑揚次第で、
にこにこ聞き耳を立ててくれたり
するんです。

ざわついたときにも、
スタッフさんの「とうもろこ、し~」
の掛け声で、みんな面白いくらいに
静まってこちらを見てくれたり。

そんなふうに、
あいうえおのたいそうや
からだを動かす絵本を読んで
いっしょにあそびつつ、
かるたの絵や文字をおぼえ…

結果的にかるたはたのしく
大盛り上がりになりました。

そこで気が付いたことが
ありました。

ふだん、ひらがなを覚えたり、
ことばを勉強しようとするときって、
「記号としての文字とむきあうこと」
なんだよなあと。

一方で、会話するときとか、
しゃべりながら自然と音で言葉を
覚えていくときって、
体の動きとか、身近な人の声の抑揚とか
が重要になってきますよね。

たとえば、
「ね?」「ね~え?」「ねえっ!」
みたいに、同じ文字でも言い方や抑揚で
意味合いを変えていますし。

ことばというよりも、
どちらかといえば、音楽っぽく。

そして、声を出せば
向こうから反応が返ってくる
生きた言葉としてふれているから、
面白いんだと思うんです。

ところが、
ひらがなを読む、とか、
書き言葉の練習になると、
記号としての「文字という図形」と
どう向き合えるか、みたいな
ことになってくる。

言い方が、こう
大変によろしくないのですが、
しんでしまった言葉の標本と
向き合っているという感じ。

それはそれで必要なのだと
思うのですが。

でも、だからつまらないと
感じてしまうことが少なくないのでは。

言葉って不思議で、
言葉は文字だけじゃなくて、
体の動きや、抑揚の付け方や
五感をとらえながら、はじめて
その言葉が活き活きとしてくる。

活き活きしている言葉って
たのしい。

ひらがなが読めるようになったり、
書けるようになるタイミングに、
「ことばって活き活きして、
たのしいものなんだ」
という思いを持ってくれると
いいんだなあ、と思いました。

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