worksは8/24に更新しました.

だからなんなのだ問題

町の看板を見ていると、ふと思うことがある。
車の修理屋さんではこんなものを見つけた。
「タイヤだいわみなくる」
 
これ、一瞬こうみえた。
「タイヤたるみなくなる」
 
…だからなんなのだ。
 

 
小学生の通学路にある高架下に、
張り紙がたくさん貼ってある。
 
小学校の授業で描いた絵だ。
 
「ごみはすてたらだめ」
「地球を守ろう」
「きれいな町をあなたの手で」
というポスターたち。
 
その中のひとつの「ごみすてきんし」という
フレーズが目に入った。
 
あれ、「ごみすてきんし」のなかに
あらやだ、「ごみ(すてき)んし」…
すてき、がある。
 
…だからなんなのだ。
 

 
ごらんのとおり、言葉遊びの種っていうのは、
だからなんなのだ、という
どうともならん感じに満ちている。
 
しかし、佐藤雅彦「クリック」という本には
こんなのがある。
 

 
スポンジ
 
僕はスポンジ
僕はスポンジ
水をすったら 重くなる
しぼってしまえばもとどおり
 
僕はスポンジ
僕はスポンジ
せっけんすったら 泡がでる
しぼってしまえばもとどおり
 

 
これって、だからなんなんだ、って
思わない。
かわいい!と思う。
 
なぜなら、表現の向こう側に、
「きみ」がいる、と思えるから。
 
「ネタ」ではなくて、「きみ」が
いるかんじ。どういえばいいかな。
 
ぼくのとなりに、なんの脈絡もない
めがねがある。
…だからなんなのだ。
 
しかし、何の脈絡もなくとも
となりにいるのが猫であれば、
「にゃんにゃん、おいでおいで」
と言いたくなる。
 
(まったく関係ないけど、
車を運転しているとき、
目の前に鳩があらわれたので、慌てて、
とっさに出てきたことばが
「あ、ぽっぽ!」だった。
ちょっとショック。)
 

ネタがネタにならないためには、
どうしたらいいだろう。

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