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坊ちゃんの魅力

正直でいるってむずかしいよなと思う。
 
それと、自分の思ったことを、
最後までちゃんと思い通すってことも
難しい、と思う。
 
たとえば数人で話していて、
自分がなんだかな、と思っても
いえないことが多い。
 
それからなんとなく思っていたことを
しゃべったとき、
うまくまとまらないから、
むにゃむにゃになってしまって、
逆にロジカルに話せる人に、
そうじゃなくてこうじゃないか、
といわれると、
うん、そうだった。と簡単に折れてしまう。
 

 
正直でいるって、時として
空気が読めない奴。
調和がとれないやつということになる。
 
ああ、ここで協調しておかないと
ちょっときらわれちゃうぞ、
みんなからの賛同意見が多くないと、とたんに
気分がおっこちてしまうから、どうしよう、
ああ、相手にいやな思いをさせちゃったな…、
みたいな、やさしさは、「ひ弱」になってしまう。
 
そうなるのは、容易い。
優しい奴ってのは容易い奴のことをいう。
 

 
夏目漱石の「坊ちゃん」を読むと、
非常に心強くなれた気がする。
小学校の頃にはじめて読んだ時から、
不思議と読後感に
力を得たような気分になれる本だった。
 
その秘密は圧倒的な正直さ。
自分がそう思ったから、自分はそうなんだ。
馬鹿正直な故に正義のヒーローのような
(最近、正義のヒーローっていいイメージない。)
悪い奴をこらしめるものになる。
 
けれど、自分がいいことをしたはずなのに、
周りからみると、むしろ向こう側にいる人の方が
善良に見えていたりして、
自分のほうが悪者になっていることがある。
 
それでもなお、自分への正直さをすてない。
これではとても生きにくい。
でも、生きにくい人が多数になれば、
すこしは楽に自信をもてそうだと思う。
 
「自分の正直に思うことを、
空気を読まないでやってみよう。」
こういうワークショップを中学校とかで
やってみたらいい。
「自分の魅力がみつかるよ」という言い方で
「今後の学校生活がすごくやりにくくなるよ」
ときらきらした目で、言えたらいい。
 
「やりにくさ」を分かっていれば、
相手を肯定する目線が身に付くのだと思う。
アメリカのラブコメ映画でみるような、
「あなたって、ヘンね」という好意の寄せ方がある。
そういう空気感がいいのにな。
 
一見否定的に思われていることに
わくわくできたらいい。

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