worksは8/24に更新しました.

現実の中のファンタジー

こないだ、雷があった。
だいぶ近かった。
昼間だったけど、怖いので、
念のため、電気を全部消して、
コンセントを抜いて
バッテリーで動くものだけに
することにした。
 
曇天なので、カーテンを開けてても
部屋は暗い。
電気のない時代の人はこの暗さが
日常だったんだろうなと思いながら、
強烈に屋根をたたく雨の音を
聞いていた。
 
一瞬、部屋全体が真っ白になった。
気が付いたころにはもとに戻っていて
あれ、今のは錯覚かなと思ったとたん、
パリパリ、ガラガラズドドドーン!
 
慌ててふとんに潜って
隠れていると、そのうちねむってしまった。
 
目が覚めると、いつの間にか雨がやんでいる。
窓を開けて外を見ると、
晴れ間がのぞいていて、どことなく
空気がすーっとした匂いがする。
 
んー、あ、これだ!
とおもった。
 

 
以前、科学の本で読んだことがある。
雷って、かなり莫大なエネルギーが
生じているらしい。
それで、なにが起きるかというと、
O2である酸素が、O3に変化してしまう。
 
O3とは、オゾン層で有名な
オゾンのことであり、
ぼくの読んだ本ではその変化のことを、
「空気が新品になる」
という表現をしていて、なるほどな
と思って読んだ記憶があった。
 
そのあとネットで調べていると、
雷によって変化するのはオゾンだけではなく
その他、ニトロ基?アンモニア?などの
有機化合物も生成されているらしい。
 
つん、とするような、
鼻に通るような気持ち良い匂いになるのは、
ちゃんとした理由があるのだそうな。
 
「そんな気がする」というような
おまじないや迷信の類から
一歩抜け出した、
繰り返し可能な事実であるから
科学の話は面白いと思う。
確かめて、確認できることが面白い。
 
それから「雷は怖いだけ」という認識も
実は偏見であったということがわかる。
 
空気を豊満にしてくれているし、
それで農作物の出来が良くなったりも
するんだって。
 
知らないけど、そうなっていることがある。
一見わからないけど、実はとある規則のもとに
動いている自然がある。
まさしく裏の世界を覗いたような。
 
嘘みたいな魔法みたいな話がそのまま、
現実に適応していた、みたいな。
 
これも科学の話の面白いところ。

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