「買うほどじゃないけど良いもの」について
知り合いから聞いた話。
本屋で見つけた一冊が気になり、
ゆっくり読みたいが、どうしても
買うという決め手に欠けたので、
その場は引き上げ、
後日、
図書館で調べてみると、
在庫3冊に対して70件以上もの予約が
入っていた、と。
そんな本がある。
ぼく自身もショーン・タンの
「内なる町から来た話」を買うか迷い、
図書館で検索したら、
50件以上も予約が入っていた経験が
あるから、気持ちはわかる。
(ちなみに、1か月迷って、
ついに今日荻窪の本屋で買いました)
*
世の中には、このように、
興味があって読んではみたいが、
買うほどではない、という本が
少なくないんじゃないかと思う。
本は、買わないと読めない。
すなわち、
「買うほどじゃないけど、
そこそこ関心のある読者」を
かなり逃している、
かもしれない。ということ。
*
そこで一役買っているのが、
図書館なんだけど。
図書館には、買うほどでもないと
思うような本でも
無料でうちに持ち帰ることができる。
なかには、買った方がいい人も、
何度も同じ本を借りたりすることもある。
お金が、ということより
保管スペースがないとか、
まあいろんな理由があるんだろうけれど。
*
買うほどではないけど、
読んでみたいと思っている人に、
なにかしらの方法で本を届けるということが、
作る側と、読む側とで、
winwinになることがあるんだろうか?
*
話は変わるけど、
ぼくは10月頃からインスタグラムで
毎日似顔絵を描いてます。
ふだんは似顔絵をバッヂにしたりして
2000円くらい頂いていたんだけど、
イベントに出店すればまだしも、
ネットでいつでも似顔絵オーダーなんて
しても、ふだんはほとんど注文はない。
で、
インスタグラムでは、
自分自身の修行のためと、
子どもたちの写真を見るのが
好きだったので、楽しみの一つとして、
無料で描きますとぽろっと
つぶやいたら、
なんと、ありがたいことに
すでに100名以上もの
連絡を頂いたんです。
「買うほどではないけど、
興味はある」の潜在能力の高さに
圧倒された瞬間でした。
*
しかも、これは
winwinになっているんです。
似顔絵を描くと
一日の一定時間を
削ってしまうけれど、
・相手が喜んでくれること、
・二歩(の絵本)を知ってくれること、
・手が絵慣れすること、
(多少なりとも上達している気がする)
・いろんなタッチを試せること、
・ポートフォリオが豊かになること、
・仕事の依頼につながること、
・精神の安定
などなど、
気持ちの面から、お金の面でも
いいことにつながるんです。
結果的には、
似顔絵のオーダーとしてお金を
頂くよりも、もっと大きいものを
手に入れた感が強い。
*
…
こういうことって、すでに
今の常識になっているのかもだけど
なにかがハードルになって
届いていないけど、
潜在的に求めている人って
かなりたくさんいるんじゃないかって
思ったりしている最近です。
2020/12/21