普通じゃないあなたへ
発達支援を行っている施設で、
たまにワークショップのクラスを
させて頂く事があるんだけど、
毎回、その時の子どもたちの様子が
印象にのこる。
彼ら、彼女らは、
非常に高い才能があり、
自分のペースをしっかりもっている。
自分のペースというのは、
いいように働くこともあれば、
そうでないこともある。
普通の人が暗黙の了解で従っている
ルールみたいなものを、
戸惑いと感じたり、
今の自分の時間の流れ方、
自分の感覚を信頼して動いている。
*
そういう子たちをみて、
つくづく僕が感じるのは、
その子たちが変、ではなく、
当然だと思う。
擁護するという意味ではなくて、
自分も同じという意味で。
施設へくると、靴を脱いで、
荷物を指定のかごへ入れて、
上着を掛けて、大人に挨拶をし、
家族とさよならして、
クラスに臨む…という流れがある。
でも、最初はどうしたらいいか、
わからない。という子もいる。
これって、
ぼくが美容室に行ったときと同じ。
順番待ちして、名前を呼ばれると、
まずは、隅の椅子に座って
カウンセリングする。
それが済んで、さあ切ってくれ、
という態度でいると、
「あれ?」っと店員さんに見つめられる。
「あ、この紙をもって、あちらで
もう少しお待ちください。」
「紙をどうするって?」と
内心思いながら、
「あちら」へ行こうとするが、
あちらってどちらだっけ?
こういう体験が、通所する子たちと
重なるんだよなあ。
最初から集団の「暗黙の了解」を
分かる人なんていない。
察しのいい人もいるんだけど、
そうでない人の気持ちの方がよくわかる。
*
発達支援の施設に話を戻すけど、
クラスの間、内容に興味のない子は、
唐突に離脱し、一人で歌いながら、
部屋の隅で一人遊びをする。
なんてこともある。
これも当たり前じゃん、とぼくは思う。
ぼく自身大学生の時は、
学校が退屈すぎるから、さぼって
橋本駅からバスで少しのとこにある
川に行ったり、はたまた
八王子の山を散歩しまくっていた。
それ、今でもやる。
フリーランスの特権だよなと思って。
*
最初の美容室の話もそうだし、
平日は仕事をしているのが普通だ、
みたいな事も、
みんなが同じ観念で生きなければ、
というような空気感がいまだにある。
普通のこと(暗黙の了解)が持っている
「~でなければならん」って
普通じゃないんだよ実は。
と思ってみることが、
けっこう重要だよな。と思う。
それから、普通じゃない=障害
っていうのは、最悪だな。
遠回しの村八分をされたような
感覚じゃない?
普通じゃないって、才能だよね。
「援助を受ける」じゃなくて
「選ばれし特待生」として扱ってほしいね。
2019/06/09