日本語へんです相談
時々、言葉って変だなって思う事がある。
「うそをつけ!」
って、言っているのに、
嘘をつくなという意味だったり。
*
「今日のごはんは?」
「スパゲッティよ」
っていうけど、
ごはんは、スパゲッティじゃないよね。
とか。
今日のごはんは、からあげよ!
っていうのを認める(ごはん=夕食)にしても、
「ごはんのおかわり」というと、
それは「ごはん」だけなんだよな。
*
目薬さして、
「ぱちぱちして」っていったら、
手をたたいて拍手したのが、
どうして間違いなんだろうとか。
*
さらに、「手をたたいて」と
言ったら、
ばしっと手を叩かれて、
「痛ぁっ!」と怒られても、
言われたことをしたまでだと言って
間違いではない気がするし。
*
大きくなったら何になりたい?
「んーあとちょっと小さくなりたい。」
と言ったら、笑われたとか。
*
遠隔イベントで出会った初対面の子に、
「どこからみてるの?」と聞いたら
「おうちから。」と。
そうだけど…ごめん質問の仕方が間違ってた。
と思うことがあったり。
*
お寿司屋さんで何を一番食べた?
「酢飯」と言われると、
ちょっと期待しているのと違うなとか。
*
犯人には「男」と一般人には「男性」
なんで?
高齢のおばあちゃんには「あの女」とは
言わないとか。
*
ふつうは、変だなって気が付かない。
でも、こうして、
ミステイクを挙げてみると、
(しかし、理論上はミスではない、
だからこその)なんでだろう?に
ぼくは正しい答えを用意することができない。
むしろ、よくわからない。
だけど、そういう現象を目の前にして
おもしろいな、とは思う。
自分でも気が付かない自分に
出会えたような気がして。
「日本語は天才である」といったのは
柳瀬尚紀。
そんな天才な日本語を無意識に
使いこなしている僕らも
実は無自覚な天才なのではないか。
*
言葉を理解するのにはどうやら
言葉だけじゃ足りないようだし、
いろんなとらえ方があるような
質問でも、状況をみて判断している
ということが大いにある。
「水ある?」と質問されて
喉が渇いていると思うか、
冷蔵庫に入れていたフィルムが
湿気っていた事実を知っているかで、
答え方も変わる。
のどか乾いてるなら飲み水のことだし、
フィルムの湿り気なら、
たとえば野菜についてる水っけのことを
言っている可能性もある。
*
感じ方の問題もある。
変換ミスで、
「再開」を「最下位」にしてしまったり
「以上です」を「異常です」にしたり、
ただの間違いなのに、
いやな気分になるのはなんでだろう?
明治初期の日本を旅したイギリス人女性の
イザベラ・バードは、日本のある食べ物を
まめ製の白いゼリーと表現したけど、
すごくまずそうにおもえるのはどうしてだろう?
(※それは豆腐のこと)
きみは馬鹿じゃない!
頭悪くもない!
不幸じゃないよ!
と言われても、むしろ、
馬鹿とか、頭悪いとか、不幸だと
言われているような気分になる
とかも変だなと思う。
*
なんで?
と言われたらよくわからないけど、
なんでだろうと思うこと自体が、
自分自身の中にあった「変さ」に
気が付けるきっかけとなる。
今、ここにないもの、
遠くにあることに思いをはせるのも
いいけれど、
一番身近な自分たちのしていることに
未開の魅力が潜んでいると
思えたら…
いったいどうなるのだろう?
2020/05/11