巨匠のおしゃべりその1
YouTubeをぱーっと
みていると、
今は亡き巨匠の動画が、
ふと「おすすめ」されてきたりする。
落語家の古今亭志ん朝とか。
演じている動画はたくさんあるんだけど、
普通に人と話している声って、
聞いたことがない。
「おすすめ」されたのは
トーク番組に出ている動画。
昭和の当時はテレビやドラマにも
結構出ていたんだろうけど、
今になると、トークの様子なんて
存在すら知らないもん。
と思って見ていたら
感銘を受けたので、
抜粋してご紹介してみよう。
*
トーク番組も終盤に近づき…。
「今日はおしゃべりになっているけど、
普段は、こんな喋んなくなっちゃった。
というのはね、
酒を飲みながら、テレビを見て、
テレビに文句を言うのが
好きなんだけど、
「なあにをいってるんだい…
そうはいくかい」って言ってるのが、
一番いいんです。
あるとき、
若い人が偉そうなことを言ってるのを
聞いて「ばっか…んなにを」っつってると
ふと我に返って、
あ、俺もこんなこと言ってたな、
と思ったらね、
ぞーっとしたんだよね。
あら、やだっと思ったら、
対談とかトーク番組なんかが、
苦手になっちゃった。
偉そうなことを言って、
気持ちのいい時期ってあるんだよ。」
*
自分でいっちょまえになった
と思うと、
それを自己確認するように
理論や、意見をとうとうと人前で
しゃべる気持ちの良さってのが
あるんだって。
ぼくも気を付けよう、と思う。
そう思うけれど、自分の意見は、
気持ち良く言いたいし、
人の意見を、
「なにをいってんだい」と思いたい。
両方おもっちゃう。
志ん朝の言っていること、
分かるなあ、と思いながら、
実はわかってないんじゃないか
とも思う。
※気を付けようと思うと、
こういう言い方になっちゃうなあ…
*
偉そうに思われない意見と、
偉そうな意見とは、
何が違うんだろう。
能書きっていうけれど、
何かありげに語っても、
聞いてるだけじゃ効果(意味)が
ないような意見って
けっこう多いからなあ。
ほとんど、自分のことなんだけど。
次回は川端康成の
「トーク動画」について書きます。
2019/07/12