worksは8/24に更新しました.

自分の体の中の「自然」

実家には猫がいて、
昔はよく寝ている猫のお腹に
顔をうずめていたりした。

耳をあてると
小さな鼓動が聞こえる。
それで「おまえも生きているんですなあ」
と思う。

いま思うとなかなか
不思議な話なんですが、

小学生のころ、脈のリズムが
不整脈だったことがあって。
(今は治ってますが)

寝る前に枕に耳をおしあてて、
響いて聞こえてくる自分の心音に
耳をすましてみる、
ということをよくしていました。

ど、ど、ど、ど…、…、…
ドクン、ど、ど、ど、ど…、…、…
という感じで、時々心音が息を止め、
次に、その分を吐きだすように
比較的大きな鼓動が鳴る。

自分のことながら、
まるで、猫のおなかに耳を
当てているときと同じような感じで、
「他人事のように」聞いていた気がする。

だって、心臓を動かしているのは、
ぼくの意識とは無関係だから。
すごく冷静でというか、
好奇心というつもりで、
その心音の息が止まる瞬間を
お、お、っと聞いていた。
「いま、心臓とまってる!」
みたいな。

よく考えてみれば、
自分の体で意識して働いているのは、
10パーセントもないんじゃないか
という気さえしてくる。

髪の毛も、爪も、血液も、食べ物の分解も
細胞の入れ替わりだって…。

天気を例にとると、
雨が降ったり、風の強い日があったり、
自然の動きも、自分の意志とは無関係に
そこにある。
そういう「自然」と自分の体って
同じようなものなんだろうな。

自分は、自分の体という「自然」に
寄生して生きている。というか。

寝ている間でも、
なにも考えていないときでも、
落ち込んでいようが、
元気でいようが、自然も、体も
いつもぐんぐん働き続けている。

自分はその結果を、
まるで天気の雨や風の日だというように
享受するだけって感じ。

なんか、お腹減ったな…みたいに。

自分の体の中の自然が、今この瞬間も
よく働いているなあと想像すると
なぜか、こちらも元気が湧いてくる。

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