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適度な行き来

昔、映画『マトリックス』を
初めてみた時、
わあ、これは…とおもった。
 
一言でいえば、面白いなと
ということなんだけど、
どこがどう面白くて
ワクワクしたのか、
すっかり忘れていた。
 
それが、こないだ、
ミッドナイト・イン・パリ
という映画を見た時に
思い出した。
 
あ、これだった、
というのを。
 

 
…その説明をするために
いったん話を回り道させるけれど、
たまに、こんな妄想を
することがある。
 
駅のホームで
電車を待っているとき、
 
または、
美容室で違和感を感じながら
ぼんやり順番待ちをしているとき、
 
ふいに家の呼び鈴が押されたとき、
 
あるいは、落ち込んで、
意味もなく町を徘徊してるときなど、
 
突然、目の前に頑丈そうな車が
一台止まり、扉がひらく。
なにものかが手招きをする。
「きみに用があって来た」
「ちょっと来てくれ」
「今すぐに、だ」と言われるがまま
別世界の人達に連れて行かれる。
…という妄想。
 
目の前のタスクを淡々と
こなしている、ぼんやりした日々に
終止符を打ちたい、と
それも強制的に…
 
そんなときにする妄想だ。
 

 
マトリックスにも、
ミッドナイト・イン・パリにも、
そんな連れて行かれるシーンがある。
観た人は分かると思うけど。
 
憧れるなあと思う一方で、
だがしかし、と、
こうも思う。
 
それって、言い方によれば
ただの「現実逃避」。
 
(※関係ないけど補足。
「現実逃避」とか「相手に媚びる」とか
それ自体に良い悪いはないはずなのに、
根っからそれは「よからぬこと」だと
断定するような言い方って
本当は好きじゃないんだけど…)
 
それに、現実逃避先に
死ぬまで居られるよってなったら、
結局そこがまた「現実」となって
自分を退屈させるのかもしれない。
 
要するに、
何がワクワクするかっていうと、
どの場所にいるか、というより、
「変わる」という瞬間を
味わいっていたいんだと思う。
 
旅行でも、ハプニングでも、
瞬間を楽しんでいるんであって、
その状態が延々と続くと思うと、
それはまた、それで、
平凡で物足りないものになってくる。
 

 
「連れて行かれる」筋書については
いくつかあるけど、
最近は、ぼくだったら、
江戸時代に行ってみたいな。
と思う。
 
「時々」でいいので、
なじみのある場所のかつての
町並みや、自然の風景を
散歩して、眺めたい。
 
より楽しむために、
行ったり、戻ったり、を
適度にできるとすばらしい。

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