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確率は「期待する」のこと

確率の問題で、何分の何っていうやつが
よくわからない。
 
トランプが2枚あって、
どちらかがジョーカー、どちらかがスペードのA。
このうち、ジョーカーを引いたら勝ち
というゲーム。
これを仮に「ジョーカでほい」という名前にする。
 
一人あそびの中でも最高レベルで、
退屈なゲームだ。ぼくがいま考えた。
ジョーカーを引く確率は2分の1。
つまり勝てる確率が2分の1。
 
2分の1っていうのは…つまり、
どういうことだろう。
たとえば、別の言い方をすると、
「2回やれば1回は勝ち」ということになる。
 
そうか、と思う。
このゲームを2回やれば、必ず1回は
ジョーカーを引く、ということになるのか。
 
でも実際にやると、そんなことない。
2回連続でAを引くこともあった。
だよな、と思う。
「2分の1の確率ってなんだろう。」
 
「2回やれば1回は勝ち」この考えが
実は足りないことに気がつく。
 
正しくはこうだ。
「「ジョーカでほい」を1ゲームやるために
与えられた「引く権利」が2回あれば、
1回は必ずジョーカーにぶちあたるが、
君に与えられた「引く権利」は1回のみ。」
 
これが2分の1の正体であった。
 
当然のことながら1ゲームごとに、
履歴が清算されてしまうので、
なんどゲームを繰り替えしても、2分の1が
新たにやって来る。
 

 
似たような問題で、赤ちゃんが
男の子か女の子か問題がある。
 
3人目までが男の子だった夫婦に
4人目が生まれることになった。
 
直感的には4人連続で男の子が生まれる
確率なんて、とても低いように思える。
 
それでも、4人目が男の子か女の子かの
確率はハッキリ2分の1。
それまで男の子ばかりだったからといって、
女の子の生まれる確率が上がる道理は当然ない。
 

 
宝くじについてこんなことを言う学者も
いるようだ。
「1から100までの間で、好きな数字を
6つ選ぶタイプの宝くじでは、
1等があたる確率はおよそ12億分の1である。」
「これは次に地球に墜ちる隕石が自分の周り
1キロ四方に落っこちてくる確率の半分」
だという。隕石の方が多いくらいだ、という。
 
そんなことがあるのか?
宝くじで当たった!というニュースは
よく耳にするが、
隕石が墜ちたというのはあまり聞かない。
 
不思議なことだけど、
本当に、確率的には少ないことなのに、
どこかでは必ず「起こっている」
ということがある。
(宝くじの例がそうであるように)
 
とあるAさんが電車に乗って、
たまたま隣に座った人が「あなた」である
という確率はどれだけ僅かだろう。
 
でも、そういう奇跡に近い偶然が毎日のように
起きているのに、それを自分たちは、
なんにも思っていないことが多い。
 
自分がアクビした瞬間にLINEの着信が入る確率とか
ちょうど信号が青になる確率とか、
Nさんが落とした手帳を拾う確率とか。
 
滅多にない偶然が、今まさに起きている、
その連続であることにふと気がつく。
 
そもそも「確率」ってなんだろう。
期待から生まれたものなんじゃないか、
と思えてくる。
 
「AでもBでも、どちらでもよい場合、
どちらかを引く確率はどうか」
 
なんていうのは確率問題にならない。
特定のターゲットがあってこその確率。
 
信号待ちしているときに
隣り合った人が「期待していた人」であるか
そうでないかで、
それは奇跡とも言えるし、
なんでもないただ起きたこととも言える。
 
つまり、日々は期待していない奇跡の
連続なんだなあとちょっと残念にも、
面白く思う。

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