言葉が持つ実用性について2
ことばでの表現が
「実用的」になるって、
どういうこと?
と思っていて。
いきなりだけど、まずは、
この作文を「実用的だな」と
思わせてみたい。
さて、そのために
どんなことを提示すれば
いいんだろう。
言葉の話題からなるべく離れずに、
「役立てられる」内容を探してみたい。
*
「文章で」「役に立つ」
で、思い付くのは、
ビジネス書とか、ライフハック的な
処世術みたいなこと。
ぼくは近頃になって
言葉に関する研究に興味が
湧いてきたので、
論文などの文章をつまみ読みして
いるんだけど、
そこで、たまーに、
ライフハック的な内容と出会う。
*
その名も「ターン交替」。
超簡単に説明すると、
会話する際の合図のことを
ターン交替という。
会話をする時にターン交替が
程よくできると、お互いに
快適なお話ができるらしい。
なんの合図かというと、
「ここからは、あなたが
しゃべる番ですよ」
という合図を会話の中で示すこと。
会話が得意ではない自分は
これを読んで、なるほどなーと。
会話していると、
・言いたいことが思いついたけど、
しゃべる隙間が見つからない。
・話したけどオチがなかった。
・自分の話が広げられなかった。
・相手の話だけで終わった。
という苦い経験がある。
話題の引継ぎや、主導権の渡し合いが
上手にできたら
会話って楽しくなるよなあ。
と確かに思う。
じゃあ、具体的に、ターン交替の合図とは
どんなものなんだろう?
梶原しげるという元アナウンサー
の言葉を借りると、
「!」(次の話を促進させる
リアクションとして)
「なるほど」「あなたが?」
「それから?」
「~ですが、いかがですか?」
「答えはAだ!」(話はこれで
終わりという合図として)
「ハハハハ」「……」など
――視線、うなずき、名指し、
問いかけ、断言、笑い、沈黙。
これらが「会話の順番を相手に明け渡す」
サインとなり、会話が引き継がれ、
その過程で感動や驚きが共有され、
共感や合意が生まれ信頼感が育まれる。
*
…こういう内容と出会うと、
得をした気分になれる。
実践のためのお金のようなものだ。
お金を持っていれば、モノが買えるように、
知っていれば実践できる。
こうした作文が、知識と実践の
仲介代理人として役に立ってくれる。
*
さて、一方で、
役に立つ、というのは
処世術だけではなく、
手紙を書く、メールを送るなど、
「コミュニケーション」へ
実装して、使えるものもある。
ナンセンスの実用性を
「不思議な国のアリス」を書いた
ルイス・キャロルの「少女への手紙」から
次回紹介します。
(なぞなぞとかもそうだなー。)
2018/05/21