うの段
「おとうふ」って、なんだかいい。
書いているだけでなんだか
微笑んでいるような気分になる。
まえに、どこかのお豆腐屋さんの広告で
「おとうふ、ふふふ」というのが
あったと思うけれど、あれはいい。
たぶん「うの段」ってのがいい。
と思うんです。
うくすつぬ、
ふむゆるう。
の、うの段です。
大体、人は「行」(ア行カ行…ワ行)
ばっかり気にして、
「段」の側からは、あまり口ずさまない。
ためしに「うの段」だけの短い言葉を
書いてみよう。
うふ、ふくぬぐ、ふうふ、くすぐる、うるう
くつゆるむ、ふゆ、つゆ、ゆする、
ふつふつ、ぐうぐう、うむ、むすぶ
くむ、うつ、すくう、ふる、ぬすむ
つる、つむ、ふくむ、すむ、くすす、
ゆく、ぬう、くすむ、うく、すくむ、
つくる、うる。
だんだん
不思議な気分になってくる。
これにアクセントとして、「いの段」
「おの段」などを入れるとなお良い。
ふりむく、ふうとう、すいとう
おとうふ、ふとん、ゆきのひ
しきぶとん、すいすい、おすし、
ふきのとう、
意味というより、
音として気もちが良い。
個人的なフェチみたいなもの
かもしれないけれど。
ちなみに小学校のときに習った
般若心経でいちばん好きな箇所も
「うの段」と「いの段」が主になっている。
しきふいくう
くうふいしき
しきそくぜくう
くうそくぜしき
…
すばらしい。
2012/08/27