ことばのロボットいろはちゃん 更新2020/8/5

「くうき」をみつける価値

昨日続き。

「くうきのほん」では、
目に見えないけど、そこにある
くうきについて、

補集合の本の構造を利用することで
伝えようと、考えています。

くうきって、
よく考えたら不思議で、

どこにだってあるはずなのに、
それが、どんな形で、どんな動きをして、
どんなやわらかさで、どのくらいの重さで、
どのくらいの力をもっているのか、
くうきに対する体感イメージって
ぜんぜん掴めない。

くうきにはどんなイメージの正体が
隠れているのかを探っていこう
という内容が「くうきのほん」です。

「くうきをとらえることに
どんな意味があるのか」

というところで前回は終わったのですが、
それを説明するために、
以下の引用をしました。

好きな本である
「T・S・スピヴェット君 傑作集」
という本(どうしても読み切れない…)
を原作とした映画「天才スピヴェット」の
なかで、印象に残るシーンがあって。

天才少年のスピヴェットくんが、
家族との誤解や、一人旅のなかの苦難の中で
いろんな気持ちを抱えながら、
車の窓のあたる雨の軌跡をみつめる。

そこで、
「水滴のいいところは、
抵抗がない方へ流れるところだ。
人間はその逆。
困難な方へ進んでしまう」とつぶやく。

くうきの動きも、
圧す方から、圧される方へ、
(抵抗の少ない方へ)動いていくだけ。

それがくうきの推進力となる。
その動きが地球のすべての生き物にとって
重要な力。

どうして重要かって、
なにしろ地上の生き物は、
みんな空気の底に沈んでいて、
「水をたっぷり含んだスポンジ」のように
空気を身体にしみ込ませているから。
意識しようがしまいが、空気の流れに
包まれているからなんです。

くうきが動くのは、
たったひとつの理由だけしかない。

くうきには、個々の主張がない。
ずっと高気圧でいたい、という理想を
持ったくうきはいないし、
雨雲に加担したり、台風にはならない!
そして、
いつか絶対にジェット気流に乗るんだ、
みたいな理想もない。

いま、ここで、動かされている推進力に
ただただわくわくしているんだろうな。
と思う。

スピヴェットくんの言う「人間」の方が
あまりに目立って人生は進むから、
ときどき目の前には困難しか感じない
ことも少なくない。

けれど、
だからこそ、くうきの方に
一歩足を踏み入れることに
価値があるよな、とぼくは思っています。

 

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