笑いの総数量
電車の中でケータイみながら、
くすくす笑うひとをよく見ます。
ぼくもそうなんですけど。
FacebookとかLineとか、
ゆるいやりとりがパッとできる
ツールがあるせいだ、と思う。
あれは本人にとったら恥ずかしい。
笑いたいのを我慢しても、
あれは目元がどうにもできなくて
結局ヘンタイみたいな顔になって、
逆効果なんです。
でも傍から見ている分には
なかなか悪いものでもないと
思ったりもします。
だって可笑しそうに笑ってるのって
見ていて悪い気がしないし、
かつそれが一人で笑ってるってなると、
きっとあの人は恥ずかしがっていて、
我慢しようとしてるんだ、と
想像したりなど同情も相まって、
いいんだよ、という
仏のような気持ちになる(大袈裟か)。
*
ケータイとかない時代は、
誰かと一緒にいないと笑うキッカケは
なかなかないものです。
つまり一人で突然わらうって、
かなりとんでるやつ、みたいな。
でもケータイという未来の通信機器を
使えば、どんなに離れた2人でも、
(あるいはそれ以上の人たちでも)
場所を越えて笑い合える可能性が
増えると思うのです。
たった今起きている「笑いの総数量」が
確実に増えていると思うんです。
そう思うと、なんだかうれしい。
関係ないことでも、うれしくなる。
*
大きなディスプレイに日本地図が
表示されていて、
いろんな大きさの赤い点が
各地にぴこぴこと点滅している。
この日本地図、ほぼ真っ赤ですが、
なにを示しているのですか、とぼく。
そして、車イスの博士が髭をなでながら
こういうのです、
日本中が、笑いに包まれている…
みたいな。
2014/02/22