泣きたい気持ち
大人になってから、
泣いてないなあと思います。
おえつしながら
ぼろぼろ涙をこぼして泣く、
というのは、記憶に新しいものでも
高校生のときが最後かも。
ハタチ超えてからは泣いた記憶ない。
ありますか?
泣きたいと思うようなことはあっても、
あるいは泣ける映画を観ても、
我慢できるようになった…というのか
涙は出さなくても済むように
なったんですよね。
泣くか、泣かないか、って
数値ではかれるのか分からないけど、
感動レベルがこの数値まで達したら
涙が出てくる、みたいにはいかない
ような気がします。
泣くことに素直になれない。
泣きたくても泣かない、
泣いている場合じゃない、
そもそも泣けないのか、などなど。
*
一方で、
昨日の作文で書いた「雨」に
ついて振り返るとおもしろいんです。
雨が降るのは、
数値化できるんです。
暖かさ、冷たさの変化で、
空気が保てる水蒸気量が変化して
乾いたり、雨が降ったりする。
飽和水蒸気量を超えても、
今はそれどころじゃないんだ、と
空気が頑張ってふくらんでいこうとする
…なんてことはないんです、たぶん。
*
一昨日の雨のなか、
ちょっと散歩をしたのですが、
霧が濃くて、
じめっとした土と木々の青い匂いが
心地よかったんですが、
なにより、
ぽたぽたと大粒の涙を流すかのように
降っている雨がさわやかで。
「降っている」というか
「抱えきれなくなったものを
惜しみなくこぼしている」というふうに
感じて、気持ちいいなあと。
素の気持ちでぼろぼろ泣けたときって
ものすごく爽快感がありますよね。
空気の、そういう無理をしない、
素直な感じ。いいよなあ。
夕方にはもう晴れて、
ぐーんと背伸びをするように
夕空が広がっていました。
2021/05/29