日常に潜む3Dレトリック
書くんだったら、ついちゃんと考えてから。
と思ってしまって、
作文を書くのに、時間を書けてしまう。
だいたい一時間くらい。
この一時間が、なかなかとれないんだよ
と思う。
そのくらいなら、睡眠時間削れよ、
と言われると、まったくその通り。
なんだけど、だったら、締切のある方を
優先したいんですが、と考えて、
でも、うとうとした気分で捗を進めても
面白くならないだろうから、なんつって
まずはちょっとねるか、
練り練り練り…という具合になる。
要するに、結局なにもしないパターン。
すると夢では、目的地に延々たどりつけない
焦燥感に迫られ、目が覚める。悪夢だ。と。
*
そういうわけで、もっと手軽に
作文を書こう。
*
ちょっとしたメモのようなものを
郵送するものに書き添えるときに、
A5くらいの紙にちょこちょこと、
文章を書いていく。
この作文でもそうなんだけど、
書いていくと、「文章の転調」が
出てくる。
「*」このマークで文章と文章を
区切って、ここからは
書く内容が変わっているよ、
段落が違うんだよ、という意味付けに
している。
A5の紙は小さいから、
そういう段落の間をとると
書ききれなくなってしまう。
それに、勢いでペンで書いているから、
接続詞の推敲を十分に行えず、
あとから読み返すと、文章の変わりようが
突然すぎて、なんか変に見えちゃう。
そこで、段落の変わり目のところで、
紙を折ってみた。
内側ではなく、外側に。すると、
ちょうど「続きは裏面に」という
具合になる。
紙を折ると、いったん文を読むことが
中断され、意識も、紙を回転させる間に
先だっての文章の流れが途切れて、
変化に自然に対応できるようになった。
こういう効果ってパソコンの
テキストじゃできないよな、と思う。
あえていうなら、ページ分け、
みたいな効果か。
*
紙を折るということで、
2Dだった文字を、空間上に
配置することになる。
俯瞰ですべて見えない。
回転させないと、見えない。
というのは立体のなせるわざ。
空間の中に文字が配置されると、
テキストの意味合いにも変化が
現れる。
例えば、看板、とくに案内板や
「立ち入り禁止」とか「一時停止」とか
看板がどの向きを向いているかが、
意味の伝達に一役買っている。
以前、3Dレトリックという言葉を
考えて、一連の作品を作っていた。
これは割と特殊な状況を作って、
「作品」として存在している感が
あったが、
空間に配置されることによって
(=3D)
生成される効果(=レトリック)
というものは、
日常的に無意識に認識している
ことなのだろうな、と気が付いたのだった。
これはもっと面白がれそうだ。
*
(以上所要時間30分…よし!)
2017/03/10