子どもの頃、記憶に残った絵本
とあるきっかけで、
子どものころを読んだ絵本が
ふとよみがえってきた。
読んだ絵本の全部を
覚えているわけではないけど、
なんとなーく、覚えている本を
いくつか並べてみよう。
絵本なら、
「とらくんのとっきゅうびん」
小沢正(文)西川おさむ(絵)
(キンダーおはなしえほん/フレーベル館)
「あけるな」
谷川俊太郎(文)安野光雅(絵)
(復刊ドットコム)
「おしいれおばけ」
マーサ・メイヤー(作・絵)
(偕成社)
「だいふくもち」
田島 征三(作)
(福音館書店)
読み物系なら
「ゲハゲハゆかいなわらい話」
小暮正夫(文)原ゆたか(絵)
(岩崎書店)
「二ちょうめのおばけやしき」
木暮 正夫 (著) 渡辺 有一 (イラスト)
(岩崎書店)
家にあった本なのか、
保育園で読んだのか、
小学校の図書館で借りたのか、
であった場所も年も覚えていないけど、
内容だけは、おぼろげに覚えている。
それぞれ、
どのシーンが記憶に残っていたのか
と、説明するのは簡単だけど、
どんな気持ちになったか、を
説明するのはむずかしい。
*
お話というよりも絵の質感
とか、
不思議な雰囲気を
あじわっていた気がする。
個人的な意見だけど、
ストーリーって
「気にならない」のが
一番いいと思う。
具体的に面白いのはシーン
なんだけど、
複数の面白シーンを
違和感なく、
自然の流れで見せるのが
ストーリーの役目。
(それがものすごく難しいんだけど。)
それは多分
自分なりの読み方なのだ、
という証拠に
結末まで覚えている本は
ほとんどなかった。
「このページ」の「この感じ」に
覚えがあるという記憶の仕方。
*
「とらくんのとっきゅうびん」は
とらが人の役に立とうとして
特急便をしようと思い立つ。
ちゃんと車の免許を
とるところからはじまり、
ガチャンと車を
ぶつけちゃう。
ついこちらは
「あちゃー」と思う。
ダンベルをもちあげて
筋肉をつけたり、
レストランで肉をほおばったり、
このとらくんは、本当に
やってるんだなあ、
という感触があった。
「おしいれおばけ」の妙にリアルな
おばけが、えんえん泣いているシーンに
へんな気持ちになった。
あれはなんだろう。
「だいふくもち」は
もちがあずきを取り込むところとか
最後に主人公が服だけを残して
消え去って、
荒廃したお店の絵が残っている。
なんだ、こわい。
「~わらい話」のは、
くじらをはしでつまんで食べたり、
乾燥そばと、線香を間違えて
ゆでて食べたり、
みょうがのごはんを食べまくる
旅人とか。
うその話なのに、リアリティを
感じる。。。
*
振り返ってみると、
絵に感触を感じるというか
日常で感じる五感とは別の
絵本の世界独特の質感を
感じられたような気がした。
なんか変だな、とか
奇妙な感じとかが
細部にわたって描かれている。
これは慎重に思い出さないと、
いま改めて見た感覚にうわがき
されてしまうぞ。
子どものころの自分の感覚に戻って
改めて自分の絵を見直してみたい。
2018/11/23