カッコイイランチ
こないだ、映画のスチールを撮ってた
写真家の人から聞いた話が
なんとなく印象に残っています。
ある映画で、
主役の女の子(高校生くらい)の写真を
撮る時に監督から
「現像する時に反転させてほしい」と
言われたのだといいます。
どうしてだか理由が分からずに、
なぜそんなことをするのか、と
訊ねてみると
「年頃の女の子って自分の顔と
ものすごく向き合うものでしょう、
自分が自分の顔だと思っている顔って
実は人から見られた顔とちょっと
違うんです。」という。
「なぜなら自分の顔だと思っているのは
鏡で見た顔なんです。
つまり、左右が反転している自分を
自分だと思っている。」
女の子が自分の顔だと思って
見慣れているのは、
左右が反転した顔なんです。
だから写真も反転させてくれ、
という理由らしい。
もっともだなあ、と思いました。
人の顔はおおよそのところ
左右対称なので違いは微妙かも
しれないけど、
文字の気持ちになってみると
反転するなんていったら、
だいぶ印象が違うよなあと思う。
例えば「ちまき」という文字は
自分のことを「さまち」みたいなもの
だと思っているかもしれない。
まさか自分が「ちまき」として
認識されているとはつゆにも思わない。
…かもしれない。
それに、こないだは
「カッコイイランチ」という
のぼりが定食屋の前にあって、
なんだ、それと思って
真っ正面からみたら
「ワンコインランチ」だった。
風に翻って逆さに見えると、
読み間違えもしやすくなる。
いろいろな話が全然関係ないけど、
鏡とカメラと文字と風景を使って、
もしかして面白いことができるかも、
と考えています。
実験をして近いうちに
toppageに載せようと思う。
2013/11/02