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かわいいお祈り

荒川洋治『夜のある町で』は、
お祈りのようなエッセイだと思います。
(とても乱暴に言ってしまうなら。)
 
読んでいてこんな文章を見つけました。
以下「おかのうえの波」という
エッセイから引用。
 
//
<私の文体>について書くようにとのこと。
ひよっこのぼくにも文章を書くときの
心がけのようなものはある。
 
①知識を書かないこと。
 
②情報を書かないこと。
 
③何も書かないこと。
 
ぼくは文章を書きながらこれらの条件を
肝に銘じ「いい文章になりますように」と
心からお祈りする。
//
 
コーヒーお祈り098
 
これを読んで、
あ、お祈りしてる、と思いました。
ヘンだなあ思いました。
 
だって心がけって
自分の意志で支えるものなのに、
まるで神様に委ねるみたいに、
作物の豊穣を望むときのように
人智の及ばない話をしているようで
なんだか可笑しいと思いました。
 
冗談じゃないし、本気なことを
言っているのに、
どうしてこの人は、こんなに
可愛らしく書くことができるのだろう。
いいなあ、と思いました。
 
「お祈り」というフレーズを使う
新しい用途が見つかった気がして
うれしくなりました。
 

 
さて、自分はなにをお祈りしようか
と思って考える。
「お祈り」を使った文章や手紙などを
書きたいと思うのだけど、
何をお祈りすれば良いのかわからない。
 
もともと、お祈りするって、
ちょっと敷居が高かったような気が
していました。
 
でも宗教的な習慣がなくても、
教会に行かなくてもできるものなんだ
と思うと、もっと身近に思てくる。
 
……、
この作文の落としどころを
書くのに、あと20分あればと
お祈りする。。
 
ああ、だめだ。
もう家を出なければいけないのに
こういう無理なことは
お祈りしてはいけない。
 

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