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ほんとうにそこにある

ジブリ映画の「耳をすばせば」は
好きな映画のひとつです。

なかでも、しずくがバロンといっしょに
妄想の世界に飛び立つ世界が好きで。

まるで架空の惑星に来たかのような
壮大な風景に圧倒されます。

その背景美術を担当したのが、
井上直久さんという画家さんなのだそうです。

彼はイバラードという世界を舞台にして
目を見張るような風景絵画を
いくつも描かれています。

どことなく宮沢賢治のイーハトーブを
想起させたり、
関係ないかもしれないけど、
たくさんの旅行記を書いた
イザベラ・バードの名前のような
ファンタジーの世界旅行と
いったイメージが重なります。

なかでも好きなのは、
こちらの絵
↑リンク先の絵をごらんください。

海が多層に重なっている
世にもうつくしい現象。

「すべての階層に生命が住み、
それぞれの世界でこの時を過ごしていた」

と井上さんはこの絵に対して書いています。

なにかの暗喩のようでもありますが、
ぼくは、ただただ、この現象を
想像したイメージ力にのみこまれて
うっとりと眺めてしまいます。

オイルモーションというのか、
オイルタイマーというのか、
スノードームというのか、
水の中に色のついた油を入れておくと
水の中にもうひとつの水面が
きらきらとさざ波をたてる、
という状況が見れるのですが、

もしも、海水に
「素質の異なるいくつかの種類」が
あって、それが分離して重なる、
という場所があったら
こういう現象が、本当にみれるかも。
と、想像してしまいます。

井上さんの多層海は、
実際の海や水での自然現象として難しい。

でも、大気なら…と考えてみると
じつはこういう現象が起きているのかも
しれません。

その証拠として
かなとこ雲があります。

雲が上昇気流とともに
もこもこ膨らんでいくのですが、
あるところまで来ると
それ以上は上に行けなくなるんです。

つまり、大気には見えない天井があると。

それは成層圏と呼ばれて、
下の空気よりも温度に差があって、
そこに層が生まれるのだそうです。

 

今もぼくたちのずっと上空で
イバラードのような多層の大気が
人知れず存在しているようなのです。

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