えがおずかん
「えがおずかん」という本を
作ろうと思っています。
ずかん、とはいっても、
学問的な迫り方ではなくて
エモなとらえ方で、一篇の詩を書くつもりで
まとめようと思っています。
えがおって、ほんとに多種多様で
笑いと笑みの違いとか、
幸せな笑顔から嘲笑の笑顔まで、
ちょっとやそっとでまとめることは
むずかしい。
だから、ぼくなりの視点で
切り取ることにします。
それは、「体から湧いてくる」笑顔。
*
そもそも、ぼくは笑顔を作ることが
とても苦手。
さっきまで柔和な気持ちでいたとしても
カメラを向けられたとたんに表情が
こわばってしまうんですよね。
だいたい、わらって!とか、ほら暗いよ!
と言われるので、
笑顔になろうとするんだけど、
ぜんぜん笑えない。
大人になってからというもの、
まともなポートレートがないのは
このぼくの残念な性質によるものなんだなと
あきらめています。
ただ、高校生の頃の卒業アルバムを見ると
いつ撮られたのか知らないぼくが笑っている写真
があって、その横に「秒殺スマイル」という
キャプションがつけられているではないか。
自分のことなので、自分でほめるのは
恥ずかしいけど、
証拠があるれっきとした事実なので
そこはあえてこの作文にさらしておこう。
つまり何が言いたいかというと、
写真に撮られている意識がないときは、
自分でも知らないうちにいい笑顔を
しているということ。
*
自分で笑顔が苦手だと思っていても、
自然な笑顔というのは、
笑顔の方から勝手にやってくるらしい。
自分のことなのに、
自分じゃないみたいだなと思うんです。
ほんと、どこからやってくるんだろう?
*
気がつかないうちに心臓がどきどき
打っていたり、
食べたものがどうやって消化されて
栄養だけ吸収しているか分からないように
自然な笑顔も、
体の方からひとりでにやってくる。
自分のなかに、自分の意識とは別の命が
ぐんぐん生きている。
自分がひとつだ、とは思えない、
一筋縄にはくくれないけれど、
気分も、健康も自分とは別の命の活動
ってかんじ。
*
そこで、
笑顔の出どころを、体のなかから
分かりやすく8個に分類してみました。
●目で見て笑顔。
●食べて笑顔。
●耳で聞いて笑顔。
●触れて、さわって笑顔。
●体を動かして笑顔。
●なんにもなくても笑顔。
●変顔して笑顔。
(これはあったら楽しい
テーマだろうなと思って)
●寝ているときも笑顔。
本当は、もっと複雑だし、
複数の要因があるんだろうけど、
ま、わかりやすく、ということで。
笑顔は作るものじゃなくて、
もうすでにここにある。
いつでも笑顔はあなたの体のなかで
待っているんです。
2022/12/27