いのちのかまどのスス払い
小学生のころに流行った冗談で、
「いまなにしているの?」
と聞かれて、正直に答えたくない時に
「息してる。」
というスカし方がありました。
*
それくらい、息をしているって
当たり前だと思っているのですが、
よくよく考えると
呼吸って、なにをしているんだろう?
再び三木成夫氏を引用しながら。
*
哺乳類は、蛙などの変温動物とくらべて
ものすごい量の酸素を必要とするのだそうです。
体を動かしたり、体温を維持したり
生きていくのにほとんど常に、
筋肉はうごいている。
そんな体のなかを比喩するなら、
「かまど」なのだそう。
外から燃料と空気を取り入れ、
それをいのちとして燃やし、
燃やすともくもく煙が出る。
さながら、蒸気機関車といったイメージで
しゅしゅっぽっぽっと、呼吸をしている。
*
前回も書いたけれど、
呼吸は半分がオートメーション。
もう半分が意識によってできている。
全部がオートメーションの
心臓は、意図的に鼓動のリズムを
変えられないが、
呼吸は吸おうと思ったタイミングで、
吸いたいだけ吸える。
逆に、
オートメーションが半分なので、
意識がないと呼吸は浅くなる。
そして、意識が別のことに集中しても、
呼吸は浅くなる。
つまり呼吸は、
意識に半分の権限を掌握されているので、
意識が呼吸に向かないと、
息の量は少なくなる。
そうなると当然、体の中の火は弱まり
同時に、煙が体内に充満していく。
これが息が詰まる、という状態
なのだと思います。
*
そこで、
体の中を掃除しないといけないのだけれど、
三木さんは、それも呼吸で、という。
呼吸不全で溜まった煙でススだらけに
なった体を掃除するのも、
また呼吸なのだそうです。
燃えカスをゆっくり吐きだすように、
そして、新鮮な息をたくさん取り込んで
体のなかのいのちのかまどを、
しっかり燃やして、
きれいに保つことが大事とのこと。
*
昨日も、呼吸についての作文を書いたので、
さすがに実践してみようと、
意識して深呼吸をたくさんしていたら、
ほんとうに、疲れにくくなったんです。
慢性的なだるさも、いつもより控えめな
感じにおもえて。
ただ、息を意識するだけという
簡単なライフハックとして、おすすめです。
2021/07/23