朝の正体
最近、ぜんぜん作文がかけてなくて、
日々を残念な気持ちで過ごしております。
そもそも、だれにも読まれていない前提で
好きなように書くというのが
この作文の適当なモットーなので
別にいいんだけど、
ネット上でなにかしら更新がないと
あの人、死んだんじゃないか、
あるいは消えた、と思われがちだけど、
案外そうでもない。
いいことは書かない、
為になることも、かっこいいことも
書きたくない。
できるだけ、自分が恥ずかしいことを
中心に描きたいと思っているので、
作文を更新していないてことは
逆に言えば、
恥ずかしいことがあんまりない
ということで、
喜ばしいことでもあるのだぞ。
*
あともうひとつ言い訳としては
時間がない。
なぜか忙しい。
「時間がない」「忙しい」という人は、
要するにスケジュールの組み方が下手、
もしくは、効率的な動きができない、
あるいは睡眠時間を十分にとることで
押し出されたタスクを、
未来へのしわとして日々送り出している。
まだ見えないずっと先の方で、
テーブルクロスのしわ寄せが山のように
積もっている様子を想像してぞっとする。
「恥ずかしいこと」を書く、という意味では
ぼくは、時間の使い方が強烈に下手、
ということだけは言える。
来月からはもっと余裕に過ごせるはず。
もっと作文が書けるといいな。
*
午前中の早い時間、朝のひだまりがある
駅の待合室にぼんやり座っていると、
すずめが一匹とんできた。
ここで誰かが、餌付けしているのか
人には慣れている様子で、
ぼくの足元へきてちゅんと鳴いた。
そこで、あ!と思った。
朝の音がした。
いつも枕元で遠くから聞こえる朝の音が
待合室の中で響いている。
朝の声の正体はおまえだったのだな、
と、妖怪に出くわしたような
気分だった。
おわり。
2017/10/22