イスにひそむ意志とは
いま「創造性×イス」についての
絵本の企画を考えていて。
「未来への力」というシリーズで、
前回が問題解決力。
今回が創造性をテーマで考えていて。
ただ、本編の内容を考えるうえで、
イスについての知識が乏しいよな…
と思っているときに
「イスのかたちデザインからアートへ」
(国立国際美術館での展示カタログ)を
みつけて、さっそく手に入れました。
なんと開催は1978年。ふるいっ!
とはいえ、序文がまずおもしろくて。
椅子の歴史を振り返る解説なんだけど、
そこに自分にとって
意外な視点があったんです。
ぱっとイスについて考えたときに
機能的なデザインしか
思い浮かばなかったけど、
アートな視点からイスを作る…
という観点も示されていて。
もともと前回の「このかべ」が
「問題解決」だったので、
機能としてのイスを考えると、
どうしても「問題解決」の範疇から
出ないのかな…と悩んでいたけど。
アートな視点があれば
「創造性」と絡めることもできそうだ
と膝を打つような気分でした。
*
具体的に書くのにあまり時間を
かけずに、楽に作文を続けたいので、
またAI(Claude)に手伝ってもらいつつ
(カタログに書いてないことにまで
派生しながら)以下、作文してみました。
ではどうぞ。
*
昔々、日本人は椅子に座る習慣が
ありませんでした。
畳やござ、座布団に座るのが主流。
職人が作業台として使う椅子のような
木を加工して作ったものは
あったようですが、お寺のお坊さんや
お城の殿様だけが特別な椅子
(御椅子(ごいし))を使っていて、
それは「えらい人」として
象徴するためのものだったんです。
しかし1800年代になると、
大量生産技術の発展により、
椅子の製造コストが低下して身近になり
人々は椅子の便利さに気づき始めました。
例えば、
- 地面から離れて座れるので服が汚れにくい
- 背もたれがあるので
長時間座っても疲れにくい - テーブルで作業をするときに使いやすい
こんな便利な点が分かってきて、
椅子はどんどん普及していきました。
1920年ごろには、
「使いやすい椅子が一番うつくしい椅子だ」
という機能美の考え方が広まりました。例えば、
- 体の形に合わせた背もたれ
- 座り心地の良いクッション
- 丈夫で軽い材料を使用
そして、新しい材料や技術が発明されると、
椅子はもっと面白くなっていきました。
- プラスチックで作られた軽くて丈夫な椅子
- アルミニウムで作られた涼しげな椅子
- いろんな形や色の椅子
(怖いけど電気イスみたいなのもある)
そのうち、椅子は「座るための道具」
という考え方を超えて、
アート作品のようになっていきました。
例えば、
- 元永定正の色彩を流動的な形で表現されたイス
- 岡本太郎の坐ることを拒否するイス
- 福田繁雄の巨大なトランクのイス
- 竹山実の人体のかたちをしたイス
- ダリの巨大なくちびるのイス
- クリュ、ユバルの複数のソファが段々のように
くっついてソファ自体で建築が作られている
かのようなイス
今では、椅子は私たちの生活に
欠かせない物になっているだけでなく、
デザイナーや芸術家たちの夢や想像力を
表現する道具としても使われています。
学校の椅子、お家の食卓の椅子、
公園のベンチ…一つ一つの椅子には、
作った人の思いや工夫が
込められているんです。
このように、椅子は単なる「座るもの」から、
私たちの暮らしや文化、
そして想像力を表現する大切な道具へと
変化してきました。
みなさんの周りにある椅子も、
きっとそれぞれ違った物語を
持っているはずですよ。
そして、きみなら、どんなイスを
作ってみたい?
2025/01/18