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誰のものでもない

岩波少年文庫のシリーズを好んで読みます。
最近読んでいるのは、
「チポリーノの冒険」。
貧しい玉ねぎ坊やのチポリーノが、
トマト騎士やレモン大公に立ち向かう話。
 
この話に限らず、
童話を読んで面白いのは、
本の中で作者の意見が語られている、
ということよりも
登場するキャラクターが
本の中でハツラツと生きているように
感じられること。
 

 
言葉のなかで、チポリーノという
玉ねぎの子どもが、
活き活きと動き回っている。
 
作者はジャンニ・ロダーニという
イタリアの人なんだけど、
チポリーノ少年は彼のものではない。
というふうに思えてきてしまう。
 
ぼくや、これを読んでいるあなたが、
誰かの所有物でないのと同じように、
チポリーノも、独立した自由な
キャラクターだと思えてきてしまう。
 
作者にも所有されることない、
天然の生き物が本の中でうごめいている。
 

 
いっぽう身の回りで
よく目に触れるほとんどの言葉は、
誰かに所有されたものばかりだと思う。
 
facebookもtwitterも、ブログも、
メールも、CMの中のアイドルも、
「わたしが喋っています」というかんじ。
それは誰かのものである。
という味つけがされている。
 
誰かの意見とか、私が言ったとか、
そういうものを予感させない言葉が
ぼくは好みだなあ、と思うことがおおい。
 
そういうつもりで、5.7.5を書けたら
面白いと思うし、
こないだ展示した「つみき」の言葉パズルも、
誰の所有でもない偶然の文章だから、
面白いのだろうと思う。
 
8月の展示でも、
バージョンアップした「つみき」展示します。
 

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