本屋の中の森
欲しい本があるわけではないのに、
ちょっとついでに、と本屋に立ち寄る。
目的はないのでふわふわ歩き回る。
眺めていると「半分だけ知っている本」
というものに出会う。
ああ、これは友人が教えてくれた
内田樹の本だ、とか
今年のコールデコット賞は
この絵本なんだ、とか
100%orangeが新刊をだしてる、とか。
つい立ち止まって見てしまう、
これが「半分知っている本」の特徴。
*
本屋には野生の本が無数に生息している、
と思う。
ちょうど山道を歩いていて、
野草を観察しているのと同じようだと思う。
知識があれば、
それだけ立ち止まる回数も増える。
それだけ森がもつ豊かさも
多く感じとれる。
本屋の大小は問わず、店内に踏み入れて
その全部を見ようなんて、
はじめから思わない。
偶然通りがかったから、とか、
あのあたりに興味があるとか、
部分的にしか見ることができない。
広大な森の草原では、
だからこそ回数を増やして、
出会うべき本と出会う可能性を
増やしたいもの。
読めないけれど海外の
ペーパーバックの本が好き。
ざらざらした質感や意外な軽さ、
たまに入っている挿絵を見つけると
うれしい。
ビート板みたいな?厚い素材で
作られた絵本を見つけたりもする。
ジープのような車の形になっていて、
これは子どもの頃に出会っていたら
確実に「ぶーん…っ」って
やっていただろう、
という知識とは全く無関係に
面白がったりもする。
そういう大人と子どもが2人で
散策している、という感じがします。
2013/02/09