心を開くって…?
昨日の続きで「チャボとけやきと泰山木」。
具体的には、こんな詩が掲載されています。
「いえで」 (小2女子)
いえでは 四回ぐらいしたことが
あります
でも すぐうちの人がきます
おてがみをかいていきます
とっても こわかった
*
「インフルエンザ」(小1女子)
きょう ちゅうしゃがありました。
みんな「ちゅうしゃいたくなかったね」
といいました。
わたしはつられて「うん」と
いってしまいました。
でも ほんとうは いたかったです
*
「ピアニカ」(小1男子)
ピアニカはいいな
いい音がでるから
ぼくも こういうこえがでたらいいな
でも ピアニカでふけば
いい音がでる
だから しあわせです
*
「ぼくのいもうと」
ようちゃんのほっぺは
ふっくらばん
ふかふか とってもあったかい
ようちゃんの手は あまーい
あまーい
おかしの手
いつもチューチューしゃぶってる
ぼくもなめてみたら
クッキーのあじがした。
*
怖くて嫌なことも、うれしいことも、
どれも、おもしろい。
想像してほしいのは、
これを書いたのが、子どもではなく、
大人が書いたらとしたら…
ということ。
さあ詩を書きましょう。
と言われて、みんなで机を並べて
「詩、かあ」と思って、
さらさらと上のような詩を書く
大人を、ぼくは想像ができない。
でも、
その大人も、夜家に帰って、
晩飯たべて、風呂でさっぱりし
ちょっとお酒も入って、
タオルを髪に乗せたまま
ソファで横になり、ひとりの時間を
愉しむ時間に、
誰にも見られない秘密のノートを
そっととり出して、
昔の思い出か、なにかいい気持ちを
反芻して、にやにやしながら、
ノートに上のような詩を記す。
これなら、
想像がつく。
要するに、大人が人前で心を開く
ことが、いかに難しいか、
ということです。
*
心を開くってなんだ、
っていうと、
いつでも明るいというわけではなくて、
悲しい時や、暗い時には
悲しいし、暗いんだっていえること。
だと思う。
よく、人付き合いのコツの本で、
人に気持ちは伝染するものだから、
人と会うときはいつでも笑顔で、
明るくいるということが大事。
明るくしていることが、
いいことを引き寄せるみたいな。
そういうことに、
憧れがある一方で、
違和感も感じてしまう。
*
なんでだろうと思っていたんだけど、
子供たちの詩の本を読んでいて、
あ、そういうことか、と気が付いた。
日々過ごしていれば
いい気分の日もあれば、
暗雲のような気分もあるのに、
「いつでも笑顔」っていうのは
気持ちに栓をして、
笑顔モードに切り替える、
つまり、場合によっては
本音で向き合ってくれていない、
ということなんじゃないかな…、
みたいな。
2019/06/27