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友達のできかた

美術大学に行く多数の人は、
美術予備校というところへ通うものです。
 
ぼくも通っていたのだけど、
ちょっとだけ特殊な場所だなと思った。
なにが、というと、友達のできかたが、
今までと違うという感じがしたんです。
 
これまでの学校生活だと、シンプルに、
人間関係の中で生まれる自然発生的な
階層の中だけで、
友達として繋がるものです。
 
目立たない人だったら、そういう
グループだったり、
クラスの中心でにぎやかにやっている
人たちはイケてる人ばかりだし。
 

 
でも、予備校ではちがった。
その人がどんなに地味な人でも、
作品の仕上がりがいい人は、
それだけ注目を浴びるのである。
 
こわもての番長みたいな人から、
「きみ、うまいね。なんで?」
みたいに声をかけられたりもする。
 
女子に無縁の冴えない男子も、
「色使いおしゃれだね」なんて
グレイトな感じの女の子に
言われたりもする。
 
そう、作品を作るということは、
「外見」や「外面の性格」の見え方に
囚われない、
隠れた潜在能力を見せつけられる
チャンスを作ることなのです。
 
サッカー部のイケメン男子と、
休み時間に本しか読まない男子が
予備校の帰り道にたのしそうに
話している姿などもよく見かけた。
 
ごますりや、おべっか、好かれようと
頑張るのではなくて、
すなおに何かを作るというだけの方法が
人から信用される(友達をつくる)
一番いい方法だった。
 

 
これは、いまでも同じだと思う。
ぼくがもし、ことばあそびもつくらず、
絵もかかずにふつうに暮らしていたら、
リアルに友達3人くらいしかいないかも。
 
自分が作ったものをみて、とか、
一緒になにかを作るとかして、
関係が広まっている。
ぼくの人間関係の拠り所は作品に他ならない。
それがなかったら、ぜったい友達に
なっていない人ばかりだ。
 
著名で仰ぎみてしまう人に出会うと、
この人とも友達になれたら、と欲が湧く。
 
それは、子分みたいになろうとしたり、
おだててみたり、気を遣ってみたり、
嫌われない態度を
取るということではない。
 
もっといい作品を作らなければ!
と冷や汗をかく気持ちになる。
信頼を得るには、心を動かす作品が
なくてはならない。
 
生きていて、ほんとにそれが拠り所なのだ、
と思うと、恐ろしくもあり、
わくわくもする。

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