占いよ幸あれ
じぶんの部屋に
上着が散らかっていたので、
まとめて、しまおうと思い
クローゼットを開ける。
手に持っている上着は4着。
空いているハンガーは…、
えーっと、1、2、3、…あ、
一つ足りない。
でも、ちゃんと探せば、
奥の方にひとつくらい
隠れているかもしれない、と思う。
*
そういう時、こう考えてしまう。
「ここでもし、
ハンガーが見つからなかったら、
自分の今後も見つからないだろう」と。
いうなれば根拠のない賭けを、
やってしまう。
結局、奥まで探したけれど、
見つからない。
あ、そうかやっぱり
見つからないのか…と思って
心を喪失したような気分になる。
そう思って戸を閉めようとすると、
すぐ手元にぽつんと空いたハンガーが
掛かっていた。
うお!あ…った。
と涙がにじみでるのである。
*
日常のなかのできごとを、
すぐ占い的に考えてしまう。
音楽をランダム再生にして
聞いているとき、
次にあの曲が来なければ、終わりだ。
と思ったり、
(たまーに、当たる。)
蝶々が目の前を通ると、
良いことの前兆があるとか
(なにかの本で読んだ気がする。)
ありきたりなところでいえば、
紙くずを投げてゴミ箱に入れば
すべてがうまく行く。など。
ちょっと過度な頃は、
虫を見つけた時にも一々、それを
なにかの都合として考えていた。
たとえば蜘蛛だったら、
「なにごとも逃すんじゃない」
というメッセージ。
ゴキさんだったら
「しぶとく生きろ」。
ハエなら、
「捨てたもんでもないぜ」。
蝶々は、
「あなたに幸せを」。
*
信じたくない時は信じない。
信じたいものは、
水をごくごく飲むように信じる。
ずいぶん都合がいいなと思う。
こうやってじぶんを
励ますことが多いです。
2012/06/27