バスジャックちゃん
早朝の都道は混んでいる。
通勤の車やトラックがわんさかいる。
エアコンを付けてのろのろと
走っていると、
フエルランプが点灯したので
オフにして信号待ち。
風も入って来ないし、
あついあつい。
*
気がつくと、
右隣の車線にバスが停まっていた。
幼稚園バス。
おそろいの帽子と、
おそろいの制服。
涼しそうな顔をしてにこにこと
はしゃいでいる。
女の子がふたり運転手さんに
興味津々で、身を半分以上乗り出して
眺めている。
ふたりで顔を見合わせて笑ったり、
計器のところに手をのばそうとして、
あわや転げ落ちるところ。
もうひとりの子にひっぱられ、
肩をすくめて笑う。
運転手さんにひたすら質問を
投げかけている。
腕がぐいぐい伸びる。
あともうすこしで
バスジャックになりそうな勢い。
このふたりのはつらつさが
可愛くて、
「バスジャックちゃん」と
勝手に命名。
2012/07/19