エセ芸術家の視点
エセ芸術家ニューヨークへ行く
というおもしろいタイトルの
お絵かきカードゲームを発見した。
ルールはこんなかんじ。
参加者は5人~10人ほど。
さいしょに出題者をひとり決める。
出題者はお題を考えて
指定のカードに人数分書く。
ただし、一枚だけ「×」を書いておく。
お題カードを参加者に一枚ずつ
配るのだが、
「×」をひいた人はエセ芸術家。
つまり、
お題を知らない人が一人だけいる。
じゃんけんで
さいしょに絵を描く芸術家を決め、
順に、お題の絵を描く。
ポイントは、
全員で一枚の絵を仕上げること。
*
芸術家チームが勝つか、
エセが勝つか。
最後にだれがエセ芸術家か、
多数決をとり、
エセを当てられたら芸術家チームの勝ち、
エセを当てられなかったらエセの勝ち。
さらに、芸術家チームにエセだとばれても
お題を当てることができれば
エセの勝ち。
エセが勝つコツは、自分がエセだと
ばれないようにお題を察し、
知っているかのように振る舞うこと。
芸術家チームが勝つコツは、
エセにお題がばれないように、かつ
お題を知っているとアピールすること。
*
これ、やってみると分かるのだけど
お題を知っている芸術家の視点で
絵を見るのと、
エセの視点で見るのとで、
大分見え方が変わる。
お題を知っていると、
なんでもない線をにょろって
書くだけでも
「あーそれね」と思えるのが不思議。
エセには、まったくわからない。
*
こないだの作文で、
「難しい本を読むときは、
前提となるような知識が必要」
と書いたけど、
このゲームでも同じ現象が起きる。
お題を知っていれば、
関連性を勝手に頭の中で
結びつけるから、
なんでもないようなものでも
「なるほどね」とおもえてしまう。
エセはそこを利用して、
上手いこと知っているかのように
周りに合わせることができる。
一方で芸術家チームは、
エセにばれないようにと
狙いすぎて、
ぎゃくに分からなかったり。。
「文章を理解するとは」という本に
出てくる
トップダウン的な
理解とはどんなことか。
このゲームをやると、
体感できる。
一見わからない断片でも
関連するキーワードがあれば、
詳細を推測しながら
意味を読み解くことができる。
一回、エセ芸術家になると、
周りが「なるほどー」と言ってるのが
まじでわからなくて、
リアルにエセ感を味わう事ができる。。
お正月に親戚一同でこのゲームを
あそんだ思い出でした。
2019/01/05