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エセ芸術家の視点

エセ芸術家ニューヨークへ行く
というおもしろいタイトルの
お絵かきカードゲームを発見した。
 
ルールはこんなかんじ。
 
参加者は5人~10人ほど。
さいしょに出題者をひとり決める。
 
出題者はお題を考えて
指定のカードに人数分書く。
 
ただし、一枚だけ「×」を書いておく。
 
お題カードを参加者に一枚ずつ
配るのだが、
「×」をひいた人はエセ芸術家。
 
つまり、
お題を知らない人が一人だけいる。
 
じゃんけんで
さいしょに絵を描く芸術家を決め、
順に、お題の絵を描く。
 
ポイントは、
全員で一枚の絵を仕上げること。
 

 
芸術家チームが勝つか、
エセが勝つか。
 
最後にだれがエセ芸術家か、
多数決をとり、
エセを当てられたら芸術家チームの勝ち、
エセを当てられなかったらエセの勝ち。
 
さらに、芸術家チームにエセだとばれても
お題を当てることができれば
エセの勝ち。
 
エセが勝つコツは、自分がエセだと
ばれないようにお題を察し、
知っているかのように振る舞うこと。
 
芸術家チームが勝つコツは、
エセにお題がばれないように、かつ
お題を知っているとアピールすること。
 

 
これ、やってみると分かるのだけど
お題を知っている芸術家の視点で
絵を見るのと、
エセの視点で見るのとで、
大分見え方が変わる。
 
お題を知っていると、
なんでもない線をにょろって
書くだけでも
「あーそれね」と思えるのが不思議。
 
エセには、まったくわからない。
 

 
こないだの作文で、
「難しい本を読むときは、
前提となるような知識が必要」
と書いたけど、
このゲームでも同じ現象が起きる。
 
お題を知っていれば、
関連性を勝手に頭の中で
結びつけるから、
なんでもないようなものでも
「なるほどね」とおもえてしまう。
 
エセはそこを利用して、
上手いこと知っているかのように
周りに合わせることができる。
 
一方で芸術家チームは、
エセにばれないようにと
狙いすぎて、
ぎゃくに分からなかったり。。
 
文章を理解するとは」という本に
出てくる
トップダウン的な
理解とはどんなことか。
このゲームをやると、
体感できる。
 
一見わからない断片でも
関連するキーワードがあれば、
詳細を推測しながら
意味を読み解くことができる。
 
一回、エセ芸術家になると、
周りが「なるほどー」と言ってるのが
まじでわからなくて、
リアルにエセ感を味わう事ができる。。
 
お正月に親戚一同でこのゲームを
あそんだ思い出でした。

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