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もしも紙の本が〜その2

もしも電子書籍(およびウェブコンテンツ)
が主流となり、紙の本がなくなったら…、
と想定してみて、
紙にはどんな特徴があるのかを
改めて洗い出すきっかけにしてみたい。
 
よるのさんぽ165
 
そもそも既に紙にとって変わってる
事例はないだろうか、
と考えていたら、もしかして地図が
そうかもしれないと思った。
 
ぼく自身、最後に紙の地図を広げたのは、
数年前に金沢に旅行に行った時以来で、
その他はgoogleMAPで済ましてしまう。
 
大体、旅行の地図って観光地とか
ごはん屋さんとか、お店とか、
かなり用途を絞られているというか、
つまり、純粋な地図じゃない。
 
用途を限らない純粋な地図って、
中学校の資料用の教科書で使ったっきり
もう何年も使っていないかも。
 
カーナビがあるし、
ケータイで調べた方が早い。
しかもgoogleMAPって
ストリートビューが便利で面白いし
紙の地図よりも「コンテンツとして」
圧倒的に面白いのが理由として一つ。
 
そんなわけで(?)紙の地図は
しれっと消えていったけど、そこで
反発した声って全然聞かなかった。
手触りがいいとか、読み応えがとか、
こう、なんというか、
名残惜しさってのがなくて、
非常にさっぱりと気持ちよく
入れ替わったと思う。
 
地図は随時更新していくものだから、
もともとウェブとの相性が良い
ものだったのかも。
 

 
一方、小説や絵本など、物語の本は
まだまだ残って行きそうな気がする。
 
その「気がする」っていうところを
今回は言語化できたと思うんだけど、
単なる情報コンテンツ(=地図)は
簡単にウェブに乗っ取られてしまった。
じゃあ、どうして物語系の本は、
電子化にあたり「ちょっと待った!」の
意見が多く、それがなんとなく
正しいような気がしてしまうのだろう。
 
この直接的な要因は紙ではなくて
コンテンツにある。物語の内容。
好きな話、好きな主人公、
好きな世界があって、
「紙の本が好き」という人にとっては
ここがいちばん重要なのだと思う。
 
やっぱり思うのは、
好きだと思う気持ちには、
「物質的な拠り所」が必要だと思う。
 
要するにコンテンツに対する愛情が、
そのまま紙に浸透している。
紙が「コンテンツ愛」の居所になってる。
 
だからその場合、
「紙だから良い〜」という観点は
実は正確に言い当てていない。
「この話が好きだから、紙「も」愛おしい」
という従属した関係が正しいように思う。
 
だからまず紙保守派は、
「紙の本がなくなって欲しくないのは、
本当にじぶんが「紙が好き」だからなのか」
と自問するところから考えるのがいい。
 
まだ、つづく。

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