ほんとうにそうなります
ほんとうにそうなる。
っていうのに、弱い。
たとえば、テレビでこんな
ライフハックが紹介されていて…
「ティーバックを引き上げた時に
ポタポタこぼさないようにするには、
ティーバックを
紅茶の表面ぎりぎりのところで
しばらく留めておく。
すると、表面張力のおかげで
余分な液体が吸い取られ、
ティーバックの
ポタポタはなくなる」
こういうのをみると、
必ず実際に自分でも
試したくなる。
*
ちょっと趣向はかわるけど、
モンティ・ホール・ジレンマって
ご存知でしょうか?
こんなもの↓
3つ扉があります。
このうち一つを開けると高級車があり、
あなたにプレゼントします。
残りの二つにはヤギがおり、
つまり、はずれです。
まず、あなたに扉をひとつ
選んでもらいましょう。
選びましたね?
その結果を見る前に、
あなたが選ばなかった2つの中から
ヤギの扉を一つ開いてみせましょう。
残されたのは、
あなたが選んだ扉か、
わたしが開かなかった扉の
2つです。
ここで、あなたは、
最初に選んだ扉のままにするか、
もうひとつの扉に変更することも
できます。
どちらの方が高級車の確率が
高いでしょう?
詳しくは、M・サヴァントの
「気が付かなかった数字の罠」を読むか、
こちらのサイトが分かりやすいので、
見てみてください。
結果はあえて書きませんが、
こういう直感に反するけど、
実際は、本当にそういう結果になってしまう、
という快感が、ぼくには弱点なんだな。
*
最近、合気道の動画にはまっていまして、
これがおもしろい。
ぎゅっと腕をつかまれていても、
自分のひじと、相手のひじを
くっつけようとする動きをとると
すぽっと抜け出すことができる。
とか、
相手のひじが上を向くように
やさしく腕を抱えて、
腕だけに力を入れるのではなく
体重全体を乗せると
相手はなすすべがなく倒れてしまうとか。
ぜんぜん力を入れないのに、
襲ってくる人の力を無力化できる。
これって、てこの原理じゃないけど、
体の構造をよーく研究して、
どこに力をくわえると
体を抑え込むことができるのか、
の秘密が隠されている。
一見、人間の体はある程度
やわらかいと思っているけど、
関節の位置をちょっと意識するだけで、
人の体が一本のかたい棒のように
なって、「あれ、そんなに力を
かけられてないのに、
体が動かない…」みたいな
ことになる。
これも、手品でいうところの
タネや仕掛けのところ。
人が直感ではなかなかわからない
領域に「本当にそうなってしまう」
秘密が隠されていた。
*
「普通、人は気が付かないけど、
実はこんな仕組みがあった」
ということがあると、
つい面白いと思ってしまう。
科学の話とか、現象学とか、
言葉を理解する仕組みも
人が自分で気が付かないうちに
なぜかも考えないままに
使ったりしてすごしている。
そこをつっこんで作品にしていくのが
ぼくのわくわく感の源だなあ、と
あらためて思った。
2020/06/23