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線の宝物

絵本の画もいいけれど、
挿絵画にも興味があります。
 
絵本の場合だと、絵と文の割り合いが
半々であるか、絵の方が
メインであったりするもの。
 
一方、挿絵は文がメインの
「読み物の本」に添えられる絵。
 
表紙には作者(著者)の名前だけあって
本の奥付か、扉ページあたりに小さく
挿絵作家の名前が入っている、という
ああいうものです。
 
中でもドイツの作家ケストナー
プロイスラーのふたりの本の
挿絵がいい。
 
雨の日の枝071
 
ケストナーは、「ふたりのロッテ」や
「飛ぶ教室」で知られていますが、
主な挿絵はウォルター・トリアーという
画家が描いています。
 
でもぼくが好きなのは、
「サーカスの小人」や
わたしが子どもだったころ」に
挿絵を描いているH・レムケ。
とりわけ、
「わたしが子どもだったころ」の
絵はとてもいい。
お気に入りのちいさなおもちゃが
無数にちりばめられた箱を
開いた気分になれる。
 
プロイスラーの挿絵は、
F・J・トリップが好き。
特に「小さいおばけ」の挿絵は、
何度真似して描いても飽きないという
お手本帖のような存在です。
 

 
ほんとうに宝箱という表現が
ぴったりだなあと思う。
 
デザインやグラフィックのような
ものではなくて、
「おもちゃ」という印象がある。
 
繊細で装飾的。スミの溜まりや
うにゃうにゃとしたラフな線が
なおよくモノとしての心地よさを
感じさせる。
 
100年以上前、版画で絵を複写していた
コールデコットグリーナウェイ
ラングの童話集などの絵と違って、
1960年前後に描かれた
レムケやトリップの絵は明らかに
ペンでのびのびと描かれている。
 
ああいうラフな線はどうして
生まれたんだろう、と思う。
 
単に複製や印刷の技術が
進化したというだけでもないような
気もします。
 

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