幸せな生活について
ほとんど、毎日自炊する。
しかし、作文は、たまに。
おや、と思った。
どうして、料理は毎日作るのに、
作文は「たまに」で
済ませてしまうのだろう。
最近作文をできるだけ
日々書くようにしているのは、
そのせい。
*
一時期、ほぼ外食していたが、
その頃と比べると、自炊は
びっくりするくらい経済的。
それに、料理は嫌いではなかったので、
立ち仕事が、
気分のリフレッシュにもなる。
お腹も満たせて、一石二鳥。
*
けれど、自炊の欠点は、
「食べたいときにすぐ食べられない。」
である。
お腹減る前の料理って、
あんまりやる気が起きない。
といって、
そろそろ減ってきたな。
と時計を見て、これから作ると、
あと一時間は食えない。
みたいなことになる。
つまり、「腹減った!」という
状態になることが一日に
何回かある。
*
外食をするときって、
お腹が減った、と思った瞬間に
目の前に料理が運ばれる仕組み。
「腹減った」という状態が、
短い。
自炊するようになってから、
「腹減った」状態が長くなった。
*
昔の絵本によく出てくるテーマにも
「腹減った」がある。
「11ぴきのねこ」
「はらぺこあおむし」
「ぐりとぐら」
あれが、実感として、よくわかんなかった。
腹減るってことが、
なにかのモチベーションになる
ってことが。
*
こないだ、絵本の読み聞かせに
平塚市の児童館におじゃました。
先生が面白くて、その影響が
子どもたちに色濃く出ていて、
みんな素直で、良い子たち。
持って行った本で楽しんでもらえたし、
ぼくも楽しませてもらった。
なにより、ダミー本のモニターに
なってもらったので、
こちらからお礼をしなければ
ならないのに、
なんと、お礼にと
大量の玉ねぎをいただいた。
おもわず、わっと思って、
うれしくなった。
*
数日後、例によって
夜「腹減った」。
冷蔵庫を開けると、大したものがない。
まずい。どうしよう。
ハッと気が付く。
「たまねぎだ!」
流し場の下の野菜かごに
入りきらない量の玉ねぎが。
マンガのように、でれーんとした
表情になって、「えーっへっへ、
あーるもんねー。」
どうせなら、贅沢に使ってやろう、
と思って、
横に2センチくらいにザックリ切って、
たまねぎステーキにした。
味付けは、昼の残りのミートソース味。
もうひとつは、生姜焼き風に。
もうひとつは、まるごとスープに。
「ひゃっひゃっひゃ」と、
異様なまでに、わくわく。
たまねぎで、
こんな気持ちになるとは
思わなかったな。
2019/06/22