有効な筋トレ他
なんだかよくわかんないものを断片的に書く。
気になる数字
数字が気になることがある。
銭湯にある靴箱とか、駅のロッカーとか
映画館の座席とか、なにかにつけて数字がある。
どこでもいいけど、好きな数字の方がいい。
以前は偶数が好きだった。
2、4、6、8。どことなく甘い数字。
ここに0を加えると、甘いお菓子にミルクを
かけたような気分になる。
204、840、608。
しかし、ちょっと前から嗜好が変わっていた。
偶数はあまったるい。
こんどは93とか、31とか、53とか、奇数の
絶妙加減がぴりっとおとなな感じがしていい。
*
無敵状態
ロアルド・ダールの「マチルダはちいさな大天才」は
どんな話かと思いきや、超能力を使い出す。
誰がどう見ても超絶いやな校長のオバさんを、
チョークを宙に浮かして、
黒板に書き幽霊からの伝言と思わせて、
一泡ふかす。
相当なチート(裏ワザ)作品だと思った。感服。
超能力とはちょっと違うけど、
カニグズバーグの「ぼくとジョージ」は
頭の中にもうひとりの自分が芽生える。
これもあるなら欲しい裏ワザ。
そういえば、自分自身の体験としても
夏目漱石の「坊ちゃん」を読んだとき、
「おれ」がぼくの頭の中にインストールされて、
ちょっと心強くなれたことがある。
ど正直で、芯がど太くて、周りにおかまいなしな
性分が、自分とは対照的であって、
でもどこか分かるような気がする。
コイツさえいれば無敵状態になれる、みたいな。
物語というのは、そういう突き抜けたものがないと
なかなか始められない。
*
いる、いない
ある、ない、いる、いない、の判断は、
どういうところでつけているんだろう。
電波はないと思えばないけど、
じっさいケータイで受信できるのであれば、あるし。
湿度っていうのも、極端でなければはっきりしないが、
洗濯物が乾くか、乾かないか、でわかるし、
じつは温度が高いほうが飽和水蒸気圧が
大きくなる(あったかいほうが空気中に水分を
たくさん含んでいられる=湿度が溜まりやすい)
ので、乾きにくくなるとか。
知っていたら、あるな、と思えていられる。
夜になるとみえないが、朝日があたると
ほこりがきらきら光って目立つから、
あわててマスクをつけるとか。
見えないと平気でいられるだけなんだな。
花粉も目には見えないけど、
実害を被っているひとには痛いほど、
ある、と分かる。
幽霊だって、こわい、と思えば、それは
そう感じていることには違いがないんだから、
いる、といえばいるんだとも思える。
自然に対して人が感じる感覚って
大体が見えていないから、狭いようだし、
曖昧だったりする。
風がどこからきたとか、雷は空気をきれいにする
作用があるとか、洗うときどうして水なのか、
新芽はどうしてあんなに新品ぽいのか、
腐るってどういうことか、火が燃える仕組み、
そういう細かい(あるいは大きな)作用の
ひとつひとつが巡り巡って
世界を作る仕事を休まずしている。
世界のほとんどはじつは人間が
作っているんじゃない、ということがわかる。
人間は自然にお世話になっている。
家ではなまけものだと思っていた
おとうさんが、こんなに働き者だったの!?
みたいな、
自然に対してお世話になってます。
という本を
とてもエンタテインメント的に書きたい。
*
有効な筋トレ
中学高校と陸上部だった。筋トレは嫌いだった。
腹筋も、うでたても、できれば楽をしたかった。
メニューをこなすために、さっと済ませていた。
運動不足なので、近頃ひさしぶりに筋トレを始めた。
しかし、いまは目的がはっきりしている。
始めると、体も軽くなる。うれしい。
だったら、もっと負荷をかけて、ちゃんとやろう、
と思える。
腕立てもゆっくり、ふっきんも手の反動を使わず
床からひざまで丁寧に持ち上げる。
わざときつくなるように自分でしむける。
これがたのしい。
有効な筋トレとはこういうことだと思う。
2016/06/05