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博士語はこうして生まれた

かつて「女ことばと日本人」という本を
古本屋で見つけて、
そういえば、女のひとのしゃべり方って、
独特だよなあと気になった。

たしかに、女性というと「~だわ」とか、
「なによ」とか言うよねー、とか思って、
ちょっと思い返してみると、
…あれ、、言って…
ないな、と思う。

たしかに、
マンガとか、昭和のドラマとか、小説とか、
バーチャルな世界では使われている。

でも、現実で「だわ」「なのよ」みたいな
言い方って、ほとんど聞かないよな。

なんか、へんだぞ、と思って、
その本を買って帰ったのだけど、
序章だけ読んで本棚に入れたとたん、
急に本が視界からきえてしまって
しばらく忘れちゃっていた。

しかし、
(時をさかのぼること、序章を読んだときに)
ヴァーチャル日本語 役割後の謎
という本が紹介されていて、
Amazonで調べていたのをきっかけに
ふとした拍子にあなたにおすすめの本として
目の前に現れた。

忘れてた!Amazonグッジョブ、
とおもって(普段はあまり思わないが)
思わず買って読んでみることに。

そこに書いてあったのは、
バーチャル日本語ってのがある、と。
仮想言語。
たとえば「博士語」。

博士とかおじいちゃんって、
「わしが思うに、~であるから、~なんじゃ」
みたいなしゃべり方をする。

これって、女言葉と同じで、現実ではしない。
そして、年をとったからといって、
ある日を境に博士語になるわけでもあるまい。

これは、なにかというと
関西の方言なんだけど、
どうして博士や年寄りになると
関西の方言が出てくるんだろう?

そして、それが、どうして自然に
思えてしまうんだろう?

大体、方言だったら、
老若男女、同じ話し方だろうから、
年代や地位(博士とか偉い人)によって
喋り方に差があるという状況って存在するのか?
と思う。

答えから言うと、
存在したんです。

さかのぼっていくと、
そのルーツは
現在のマンガ、幼児向けの読み物から
江戸時代の戯作にまで到達するらしい。

博士語の生まれた舞台は江戸。
江戸言葉の形成を3つに区分すると、

・初期:方言の雑居
いろんなとこから人が集まった。
武家とか身分の高いところは西の方言。

・中期:町人に東の共通語が生まれるが、
上層部は相変わらず西の方言。

・後期:町人以外も東の共通語に均される。

この中期というのが、
階層によって、使い方の乖離が
はっきり出てきたそうです。

偉い人のしゃべり方、
じぶんたち町民のしゃべり方、
という差が。

偉い人だけじゃなくて、
もともと西の言葉を使っていた年寄りも
東の言葉を使うようになった
若者たちをみて、
「最近のわかいもんは」といっていたのでは
ないかと想像しちゃう。

そこから、
戯作を生み出す時に、
関係性を誇張するように
偉い人、年寄りは西の言葉「わしは~じゃ」
となり、そこから今に至るという。

おわり。

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