40億年の声を聞く
昼間、うちのねこの黒目をみると
縦にほそーくなっている。
遊んでーと鳴きながら
とことこ歩いてくるので
お気に入りのフェルトボールを
背中にかくして、
ちらちらっと出したり、隠したりする。
最初は「おっ」という感じで見ているんだけど、
獲物を捕らえる瞬間に黒目が大きくなり、
どわっと、とびかかってくる。
*
そこで思い出されるのが、
自律神経の交感神経と、副交感神経の
身体的な作用のはなし。
交感神経とは、臨戦態勢の状態にする神経。
副交感神経とは、休息するための神経。
猫の目でいうなら、
黒目が細い時は副交感神経が優位で、
黒目が丸いときは交感神経が優位。
なんだって。
明るい時は、見渡せるし、安全を確認しやすく
休息をとりがちだし、
暗い時は、警戒して黒目を大きくしている。
獲物をとるときも、
「いくぞ!」っていうときには
黒目も丸くなるみたい。
猫って昼間に寝て、夜は活発になりがちだよな
と思っていたのも、このためか!と納得。
*
こういう「本人の意思」というよりは、
40億年からの生命の歴史が作ったシステムが
そうさせている、という感じ、
そこに面白みを感じています。
前にヒルに塩をふりかけると
うねうねと逃げ回る動画を見たことがあって。
命にかかわることだから、
必死になって回避しようとするんだけど、
そういうものが、自分自身の体のなかにも
あるんじゃないかと思うんです。
例えば、やむにやまれぬ事情があって、
(たとえばツライけどお金が稼げるからみたいな)
やっている仕事があって、
それがヒルに塩を与えているような状況だったり
するのと同じなんじゃないかって。
意識でこれは大事だから、とは思っていても、
生命的にはこれは逃げた方がいい!
と反射のようにのけぞる。
人って往々にしてそういうことに
陥りやすいと思うんだよなあ。
だからこそ、
生命側の(つまり自律神経側の)
意見をしっかりと聞くようにしたいし、
それにたいしてどうしたらいいのか
ということの造詣を深めたい。
*
あと、余談で。
攻撃力を上げるかわりに防御力を下げるのが、
交感神経。
防御力の免疫を強めるかわりに、
攻撃力が下がるのが、副交感神経。
ということなんだけど、
どちらかしかできない、というわけではなくて、
この両方を出すこともできるという。
なんか、魔法か、少年漫画の技の
極め方みたいで面白いんだけども、
リラックスしながらも、緊張感を保つこと
たとえば、
なんか禅の修行みたいな感じなのかもなあ
と思ったり。
それ体感してみたい。
2024/05/18