worksは8/24に更新しました.

空気の重さのはかり方って知ってる?

大昔の学者たちが
真剣に議論していたことも
今となっては当たり前、
なんてことがよくあります。

「空気に重さはある?」
と聞かれたら、そりゃ、あるよ、と
今なら答える。

でも、2300年前のアリストテレスや、
1800年前のプトレマイオス、
1400年前のシンプリキオスは、
それぞれ、空気の重さに対して
違う答えを持っていた。

どうして大昔の学者たちを悩ませた
問題なのに、今のぼくらは
いとも簡単に答えられるんだろう?

それは、
ただ知っているだけだから、です。

知っているだけで
真剣に考えたこともなければ、
実験をしてみたことも、そのために
計算を繰り返したこともない。

「ただ知っている」そこで、
空気に対する実感は終わり。

じゃあ、空気の重さは
どうやって測ったんだろう?

そう考えてみると…正直なところ
分からない。

だってさ、普通にはかろうと思って
ビニール袋に空気を集めて
きゅっと結んで、はかりに載せて…って、
「空気の中で空気をはかる」って事でしょ?

それって、たとえば湖の中に
コップ一杯の水をいれて、
「コップ一杯の水の重さ」をはかるのと
同じで、はかれるはずがない。

ふたをしたコップごと湖に沈めても同じで、
周りも水で、コップの中身も水だったら、
コップ分の重さしかはかれない。
(ふたをしようがしまいが、コップの中は
水でいっぱいになるからね)

じゃあ、昔の人はどうしてたんだろう?

アリストテレスは、空気は重い説。
「空気で膨らませた皮袋は
からっぽのときより重い」と。

「宇宙の中心は地球」という説を
長いこと信じさせてきた彼だから、
実際に目で確かめたり、
徹底的に実験した、
というよりは哲学の延長線上
つまり思考だけの空想だったりもする。

だから、これは「十中八九」的な考えで
「空気は重い」と結論付けたのでは。

プトレマイオスは空気は軽い説。

「皮袋に空気をつめても、重くなるどころか、
からっぽのときより軽くなる」と。

多分この人も、ガチの実験をした
というよりも、空想上で考えたって感じ。

これは完全にぼくの妄想だけど、
水の中ではかれば、空気の重さが
分かるのではと思ったんじゃないか。

水の中なら空気は浮くし。それなら、
空気は軽いという判断をしても
不思議じゃないよね。

もしくは熱した空気に注目したか。
(空気は温度によって、体重が変わる
不思議な物質なのです)

シンプリキオスは、空気には重さはない説。

この人は超真面目で、
本当に実験して確認したんだと思う。

空気を入れた皮袋と、からっぽのものを
はかりに載せてみた。

そら、そうだよね。
空気の中で空気ははかれない。

…時代を経ると、
真空の状態を作る技術が生まれる。

空気をはかるなら、真空状態を
作らないといけない。

真空状態の中で空気をはかるというのは
水を(水中ではなく)地上ではかるのと
同じで、
空気の場合も、周りに他の空気がないから、
純粋にその重さがはかれるというわけ。

空気の重さについて、
もうちょっと書きたいので、
続きはあした。

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