worksは8/24に更新しました.

きみもぼくも変わってる

雑誌のPOPEYEに坂口恭平の連載が
やっていて面白い。
 
POPEYEといえばシティボーイの雑誌なので
自分とまったく正反対なのだが、
髪を切りにいくとつい気取りたくなって
読んでしまうのだ。
 
というわけで髪を切るときにしか
読まないのだが、坂口恭平という人の
ポパイ大学とかいう記事が面白い。
 
彼のことをよく知らないのだけど、
どうやら躁鬱をわずらっているようで、
といって、本人は病気というよりも
「そういう人」なんだと。
昔でいうなら、神様と交信するような
えーと、なんて書いていたか忘れたけど、
そういう、まじない師みたいな人のこと、
特別であり、かつ必然である人種のひとつなんだ
という。
 
気分が変わりやすい、
言い方を変えると、憑依体質というか、
いろんな人格を行き交っているというか。
 
その振れ幅がすごいのだそうだ。
 

 
でもそれは、ふつうの人でもそうだし、
一人の人が、ちゃんと一人の人である、
という約束の上で生活をしていることに
どこかで違和感が生じてもおかしくない、
という。
 
自分が自分でいなくなったほうが、
楽に思えることがある。
 
彼が言っていたのは、
毎日同じ様に通勤したり勤めたり、
仕事上の約束や、過去の仕事のうえに
自分が自分で居続ける、ということが
実は、不自然なことなんじゃないか
というのだ。
 
かなりのでたらめな想像だけど、
人間のバイオリズム的には
ぼくたちは、変わらないものというより
そこそこ不確定な生き物なんだろうなと思う。
それは一日ごとにも言えるような気がする。
 
ここでは、説得できる材料がないけど、
「最近どうですかア」というおしゃれな
美容師さんの呼びかけもそこそこに、
読みながら妙に納得してしまった。
 
自分は昔から変わらぬ自分である。
というものすごく当たり前なことを、
そうでもないもんなんだ、と思えれば
ちょっと楽になれそうな気もする。
 
いいものか、わるいものか、分からないけど、
人って本当はけっこう変わり続けている。
変わらせないように見せているのは、
環境なのかもしれない。

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