ことばのロボットいろはちゃん 更新2020/8/5

風潮が人を変える面白い話

100mで9秒台の歴史をみると、
おもしろいんです。

最初に10秒の壁を破ったのは、
1968年10月14日。
アメリカのジム・ハインズ。

それまで、10秒を破るのは
人類では達成困難であると
考えられていたらしいです。

ジム・ハインズの記録もいわば特別。
打ち出した場所はメキシコシティ。
標高が富士山でいうところの5合目。

気圧が低いため、
空気抵抗が少なく
好記録が出しやすいとされ、
「高地記録」として残されている。

つまり「特別な条件下だったから」
というふうに
記録されているみたいです。

高地だからこそ、であって、
平地だったら無理だろうなと。

実際それ以降、次の9秒台が出るまで
8年の歳月がかかる。
それもまた「高地記録」だったようです。

平地で記録が打ち出されたのは、
1983年5月14日。
9秒97を記録したカール・ルイス。

これは、世界中の人に衝撃を
与えたらしいんです。

今度は「高地」という
特別な条件ではなく達成された記録。
今まで不可能とさえ思われてきた
9秒台に光がさした、と。

面白いのは、ここからです。

次に9秒台の記録が出たのは、
なんと約2か月後。
カルヴィン・スミスが
1983年7月3日に出した9秒93。

ここからラッシュのように
80年代だけでも6人も記録を
突破しているんです。

トレーニング法とか、
用具などの技術の向上が
もちろんあると思うのですが、
なにより、
「9秒台って現実的じゃん」
という人の思いが要因じゃないか、
という説もあるようなんです。

これまで、10秒の壁を破るのは、
高地のような特別な条件でも
なければ、無理だと
刷り込まれてきた。

だから、なかなか達成する人が
いなかったと。

だけど、
一度突破され、
行けるじゃん!と思ったとたんに、
ドミノ倒しのように、
次々と9秒台が記録される。

夢がかけ離れたものではなく、
すぐそこにある、と感じられたとき、
モチベや自信につながり、
本当にそれが実現してしまう。

こういう現象が面白いなと
思うんです。

今や9秒台を記録した人は、
世界に153人もいます。

これ、日本でも同じ現象が
起きてますよね。

ぼくも陸上部だったので、
中学生くらいから、興味の目で
テレビ中継など見ていましたが、
「日本人に9秒台は無理」という
屹然とした雰囲気がありました。

それまでの日本記録も、
ほんとに、
みんなの「思い込み」のために、
わざわざ調整したかのように、
10秒00ジャストだったんです。

1998年からなんと19年間も
更新されなかったのですが、
2017年に桐生祥秀選手が
9秒98をだした途端に、
日本でも9秒台が続出。

あ、日本人でも9秒台を
出してもいいんだ!
という新たな風潮が。

9秒台が日本人のなかでも
現実のものになった、と。
すごいですいよね。

ここで思うのは
大事なのは「風潮」なんだな
ということです。

自分がこうなのは当たり前、って
思っている「風潮」が
現実の自分を作るのであって、
「風潮」が変われば
自分の殻もやぶれていく。

こういう話を聞くと、
モチベーションがあがります。

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