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風未満

夏の晴れた日、雑木林の方へ
自転車で坂道をくだっていくと
すーっと、ひんやりした風に
包まれることがある。

空気には細かい層があって、
涼しいのと、暑いのとで、
混ざり合わない
マーブリング模様みたいに
なっているんだろうな。

ゆっくり、しずんだり、
うかんだり、うごいている。

風が吹いていない、
と思っても、じつは
空気は動いているらしい。

手のひらを顔に近づけると、
少しあったかい感じがする。

これも、体温によって
体の周りの空気が温まり、
動いている証拠。

冷凍庫を開けると、
冷気が白いもやになって
ふわっと下へ落ちていく。

ここでも、冷たい空気は
重くなるということがわかる。

これらは、ちいさい空気の動きだけど、
もっと大きすぎて
分からない空気の流れもあります。

よく「夕焼けが見えると明日は晴れ」
と言われるようだけど、
それも空気の見えない動きが
関係しているようで。

日本には、上空10キロくらいに
偏西風という風が、西から東に
吹いている。

かなりざっくりした言い方をすれば
明日の天気は西の空にある。

夕焼けは、
西の空に見えるもの。

ということは、
西の空=明日の天気も、
晴れになるという予報になる。

こういうのって、
体感ができるわけじゃないので、
部分的に見える現象を、
理論立てて、線で結ぶようにしないと
分からない。

知識がないと分からない、
イメージができていないと分からない。

ぼくもよくわからないから、
なにか、分かりやすいイメージで
たとえられたらいいんだろうなー。

なんだろう、と思いながら、
いまだによくわからない。

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