風未満
夏の晴れた日、雑木林の方へ
自転車で坂道をくだっていくと
すーっと、ひんやりした風に
包まれることがある。
空気には細かい層があって、
涼しいのと、暑いのとで、
混ざり合わない
マーブリング模様みたいに
なっているんだろうな。
ゆっくり、しずんだり、
うかんだり、うごいている。
風が吹いていない、
と思っても、じつは
空気は動いているらしい。
手のひらを顔に近づけると、
少しあったかい感じがする。
これも、体温によって
体の周りの空気が温まり、
動いている証拠。
冷凍庫を開けると、
冷気が白いもやになって
ふわっと下へ落ちていく。
ここでも、冷たい空気は
重くなるということがわかる。
*
これらは、ちいさい空気の動きだけど、
もっと大きすぎて
分からない空気の流れもあります。
よく「夕焼けが見えると明日は晴れ」
と言われるようだけど、
それも空気の見えない動きが
関係しているようで。
日本には、上空10キロくらいに
偏西風という風が、西から東に
吹いている。
かなりざっくりした言い方をすれば
明日の天気は西の空にある。
夕焼けは、
西の空に見えるもの。
ということは、
西の空=明日の天気も、
晴れになるという予報になる。
*
こういうのって、
体感ができるわけじゃないので、
部分的に見える現象を、
理論立てて、線で結ぶようにしないと
分からない。
知識がないと分からない、
イメージができていないと分からない。
ぼくもよくわからないから、
なにか、分かりやすいイメージで
たとえられたらいいんだろうなー。
なんだろう、と思いながら、
いまだによくわからない。
2020/08/26