ことばのロボットいろはちゃん 更新2020/8/5

野生の電子レンジ

電子レンジでミルクを温めるとき、
「ミルク」という自動ボタンをピッと
押します。

自動だから、温まると勝手にとまるので、
カップ一杯のミルクが何秒で温まるのかを
ぼくはしりません。

それなのに、冬から春にかけて、
お湯でもお茶でも「ミルク」ボタンを
何度も使っていたせいか、
だいたい、チンの鳴るタイミングが
分かるようになったんですよね。

もうすぐかな、と思って腰を上げると
「ピー」っとなる。
やはりな、と内心したり顔で、
われながらにすごい体内時計だ、と思う。

そういうことって、ぼくだけでは
ないと思いますけれど。

こういう感覚って、頭で意識して
時間を数えているわけではないのに、
どうして「なんとなく」でわかるんだろう?
と不思議に思うんですよね。

そんな感覚は、中学生のころにも
ありました。

当時は割とまじめで
テスト前はちゃんと勉強をするタイプ
だったのですが、

根は不真面目だから、
そろそろテストだぞ、という緊張感が
なければ、ゲームしたり、マンガを読んだり
落書きしたり、遊び放題だった気がする。

基本的に勉強なんてしたくない。

でも、試験の2週間前とかになってくると、
うっと、お腹に来はじめるんです。

いつもは夜ふかしできないくらいの
早寝なんですが、
「このままだとヤバい」という感触が
そのうちに、首の後ろ辺りから
背中にかけてにも、ぴりっと走る。

そういう状態は快くないのですが、
試験勉強のために起きるには
ちょうどよい目覚まし効果になります。

テスト範囲が何ページで、
理解できているのは、そのうちの
どのページで、
一日にどのくらいのペースでやれば
間に合うのか…

という、具体的な試算を
とっているわけではないのに
ヤバいときには、「うっ」となり、
大丈夫なときは、ま、寝ても大丈夫か
と思える。

計っていないのに、
電子レンジのチンのタイミングが
なぜかわかる、という感覚と
似ていて、

自分ではない全知全能のなにかが
ぼくの後ろで暗躍しているのではないか、
と疑いたくなるほどです。

それで、もしや、と思うことが
ありまして。

渡り鳥とか、鮭なんかが、
ある季節になるといっせいに
大移動をはじめますよね。

体の中に正確な時計とか、コンパスとか、
もしかして
GPSでも搭載されているんじゃないの
っていうくらい、
動物って、人間にはない
ものすごい特殊能力を持っていたり
しますけど。

…じつは、人間にも
そういう野生の勘みたいな能力って
あるんじゃない?

と思うんですよね。

気が付いていないだけで。

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